長崎・青山町私道封鎖 全国市長会で問題提起検討 長崎市の田上市長

 長崎市の田上富久市長は23日の定例会見で、同市青山町の住宅団地を通る私道の封鎖問題を受け「今後もこうしたことが絶対起きないとは言えない」と述べ、全国的な課題でもあるとして全国市長会での問題提起を検討する考えを示した。

 私道は、青城自治会内を通る延長約700メートルの生活道。新たな所有者となった業者は住民側に通行料の支払いを求めたが応じなかったため、今月から一般車両の通行禁止を通告し、道の一部をバリケードで封鎖した。住民側は妨害禁止を求める仮処分を長崎地裁に申し立てた。

 都市計画法に基づき、1971年度以降に開発が許可された団地内の道は原則、市道となる。一方、青山町を含むそれ以前の開発許可分については、私道のままとなっている所がある。

 市によると、市内の市街化区域にある建築基準法上の道路の総延長は約1870キロ。大半は国や県、市が管理し、私道は1割未満とみられる。私道の所有者は市道の基準に合うように整備し、その費用の9割を市が補助して寄付を受け、市道にする制度があるが、未活用の団地があるという。

 青山町の私道問題を巡り、長崎市は代替道の確保などで対応を進めている。田上市長は「全国市長会を通じて(国へ)お願いすることがあるかどうかも検討したい」と述べた。

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