付き合っていれば当然?キスしたらOK? 性的同意チェックリスト大反響

「性的同意」のハンドブック

 京都市男女共同参画推進協会が「性的同意」をテーマに作成したハンドブックが、全国の男女共同参画センターの事業を対象にした「事業企画大賞」でグランプリを受賞した。性的同意という新しい切り口で、性暴力について若い人たちの理解を深める内容が評価された。

 性的同意とは、性に関わるさまざまな行為について相手の意思を確認すること。同意がない性行為は性暴力につながり、パートナーの心身を傷つける。
 ハンドブックは、京都大など関西の大学に通う学生5人と共同で企画した。性的同意の有無を確認するチェックリストを掲載。「相手がイヤと言わなければ性行為もOKのサイン」「付き合っていれば性行為は当たり前」「キスをしたら、性行為をしてもいい」「酔った勢いで、性行為に及ぶのは仕方がない」「家に泊まるのは、性行為をしてもいいというサインだ」など10項目のうち、一つでも当てはまれば同意は取れていないと説明している。専門家へのインタビューのほか、同意の取り方や断り方も盛り込んだ。
 同協会の今井まゆり事務局次長は「性に関することはタブー視されがちで、事業で取り上げるのは難しい面があった」と明かす。昨年8月の発行後は全国から問い合わせがあり、大学の授業で使われたり、子どもを持つ親から配布を希望する声が寄せられたりした。「反響が大きく、関心を持ってもらっていることが分かった。性的同意についてまだ広く認知されているとは言えないが、理解してもらい、加害者にも被害者にもなってほしくない」と話す。
 事業企画大賞は、全国の男女共同参画センターなど90館でつくる「全国女性会館協議会」が毎年実施している。「ジェンダーハンドブック必ず知ってほしい、とても大切なこと。性的同意」はウィングス京都(中京区)で配布中。問い合わせは同協会075(212)8013。

 

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