EQブランド初のコンセプトサルーン「Vision EQS」
「EQ」はメルセデスが展開する、電動モビリティを包括するブランド。
Vision EQSは、CO2排出ゼロを進める中で作り上げた最初の節目となるモデルだ。前後に長い「ワン・ボウ」(ひと張りの弓)型プロポーションで、EQモデルの基本姿勢である「プログレッシブラグジュアリー」を具現化している。
光の演出で新たなブランドイメージを表現
フォルムをブラッシュアップする煌びやかなLEDもVision EQSの大きな特徴のひとつだ。
ブラックパネルグリルに、188枚の回路基板を設置。そのそれぞれに個別で起動する5個のLEDを配置し、合計970個のLEDを立体的にレイアウトすることで、趣のある奥行き感を実現している。
また、DIGITAL LIGHTヘッドライトにはホログラフィックレンズモジュールを採用。ブラックパネルが起動すると、スターやピクセルが宙に浮かぶように浮遊するホログラフィック効果が現れる。
そしてボディと一体化したリアランプには、229個のLEDを配置。ちりばめられたスターという、まったく新しい手法でブランドのロゴを提示する。
包み込むような安心感を醸し出すインテリア
一方のインテリアは、高級ヨットからインスピレーションを得てデザイン。シャープでゆったりしたデザイン手法で、新たな静けさを生み出している。センターコンソールからダッシュボード、アームレストに至るまで一体化し、包み込むような空間を演出している。
0〜100km/hまで4.5秒以下の加速を実現
350Kwを超える総合出力とスポーツカー並みのパフォーマンスを発揮することもVision EQSの魅力だ。
小型の高性能電気モーターを各アクスルに備えることで、0〜100km/hまで4.5秒以下という加速を実現。それでいて、バッテリーを80%まで充電するのに20分未満という高効率化も成し遂げている。
バッテリー電気駆動方式へシフトした第一弾「スマートEQ フォーツー」
Vision EQSと同時に発表された次世代スマートも飛躍的な進化を遂げている。従来の内燃機関から、エミッションフリーのバッテリー電気駆動方式へシフト。
すでにダイムラー社はスマートをEVに切り替えることを発表しているが、東京モーターショー2019では、その第一弾となる「スマートEQ フォーツー」が参考展示された。
電動化に伴いデジタル化も大幅に推進
スマートEQで注目のポイントは、電動化に伴いデジタル化も推進されている点だ。できる限り最高のサービスを提供するべく、デジタル面のすべてを一新。より簡単かつ直感的にスイッチ操作が行える新しい表示デザインを採用している。
また、専用アプリとの連動もより結び付きの強いものとなっている。離れた場所からでもクルマの状態を確認できる他、走行可能距離やバッテリーの充電レベルをチェックできる。常に充電状態が分かるので、走行予定を立てやすくなることだろう。
欧州では2020年までにEVに完全移行予定
ちなみに、現在日本のスマート正規店ではガソリンモデルの「ブラバススポーツ」と「ブラバスエクスクルーシブ」が発売されているが、今後はEVに移行していく模様。欧州では、2020年までにEVに完全移行すると見られている。
[筆者: 井口 豪]