奈良美智がNYのバーに描いた落書き

イーストビレッジで数億円の価値に

©NEW YORK SEIKATSU PRESS, INC.

 世界的に有名なポップアーティストの奈良美智が10年前にイーストビレッジのバーの壁に書いた落書きが数百万ドル(数億円)の価値があるのではと言われている。

 6日に香港のサザビーズで行われたオークションでは、渋面の少女が壁に描かれた大きな絵である「奈良のナイフ・バック・バック」(2000年)が2490万ドル(約27億円)で落札されたこともあり、バーの落書きは500万ドルの価値があると言うアートコンサルタントもいる。

 落書きはアベニューAと7丁目の角にあるバー「ナイアガラ」に描かれたもの。奈良は2009年にマンハッタンのギャラリーで行う個展の準備を終えて行きつけのナイアガラに飲みに行った際に、インスピレーションが湧き壁にフェルトペンで直接絵を描き、署名と日付も入れた。その後、地下鉄ホームの壁にも描いて警官に逮捕されている。一晩拘留されたのち釈放され、ギャラリーでのオープニングには参加できた。地下鉄の落書きは消されてしまったが、ナイアガラの落書きはバーのオーナーがプラスチックの透明スクリーンで保護し、現在もそのまま見ることができる。

 壁画は縦90センチ、横は2・5メートルほどで、少年少女5人ほどがギターやドラムを演奏する姿が描かれている。バスルームの近くにも3つの独立した作品が描かれている。小さな反逆者の少女、パンクロック、吹き出しなど、よく知られる彼のモチーフがすべて含まれている。

 吹き出しには日本語と英語の混ざった「「めちゃGoodやんけ」があり、パンクバンド、ラモーンズの曲の「Blitzkrieg Bop」の出だし「Hey ho, Let's go!」を叫んでいる少女などが描かれている。バスルーム近くの作品は「Hey NYC are you happy?」とリードシンガーと思しき少女が語りかけ、観客は書かれていないが「Yeah!!」という言葉が添えられている。

 バーの値段より高いというわけで、「バーを買い取るべきだ」との声も出ているほどだが、バーの所有者はコメントはしていない。

 バンクシーなどのストリートアート作品が取り外されてオークションで売られたケースがあるが、1990年代から奈良の代理人を務めているティム・ブルーム氏は「奈良はこうしたことにまったく興味は持っていない」と話している。