乗り越える壁は高い!楽しいだけではない国際結婚の現実を体験者が告白

一見華やかなようにも見える国際結婚。しかし育った国や文化が違うということは、どんなに気持ちが通じ合っていても何かにつけて障害と向き合うということでもあるのです。今回は国際結婚をした筆者と、同じく国際結婚をしたカップルから話を聞いた、楽しいだけではない国際結婚の真実に迫ります。

生活に関わる文化の違いにイライラ

日本人同士であっても他人が一緒に生活をするのは大変なのに、文化の違う他人同士が生活をしていくのにはさらなる苦労が伴います。「朝食には何を食べるのか」「シャワーはいつ浴びるのか」「部屋を快適と思う温度は何度か」「食事は1日に何回、何時に食べるのか」など、育ってきた環境が違うことからくる「過ごしやすさ」の違いは生活のあらゆる面で見えてきます。

中にはなぜそうするのか理解できない!と感じる相手の文化も少なくありません。小さな生活の中の文化の違いが、積もり積もってストレスになっていくこともあるのです。

とにかく膨大な手続きの量

国籍が違うということは、何をするにせよ膨大な手続きを済ませなければならないということです。例えば日本で婚姻届を提出して晴れて夫婦になっても、相手の国にも届け出をしなければ相手の国で結婚したということになりません。その後ビザの取得や切り替えなどが始まると、幸せな気分に浸る余裕もなく書類の作成に追われることになります。

それまで聞いたこともない書類や証明書を一から手配したり、何度も役所に出向いたり、専門家を雇うにしても高額な費用がかかったりと、「なんで私たちだけこんな大変な思いをしなくちゃいけないの!」と思う事も。

気持ちが伝わらないもどかしさ

国際結婚を語る上で欠かせない言葉の壁。お互いに勉強をして相手の国の言葉や英語などの共通語をどれだけ話せるようになっても、訳しきれない気持ちが相手に伝わらないと感じることがあります。たどたどしいコミュニケーションしか取れないのであればなおさら、自分の言いたいことが相手に伝わらない難しさに日々直面することとなります。

すごく面白いことがあったから相手に伝えようとしてみたけど、言葉足らずでイマイチ伝わらなくて笑いを共有できない、ストレスを感じて相手にその気持ちを伝えたいのに、何と説明すればいいのかわからないなど、気持ちが思うように伝えられないもどかしさは国際結婚をする上で避けて通れません。

日本を離れて暮らすということ

結婚後に相手の国や第三国で暮らすことを選んだ場合でも、今の時代ネットでリアルタイムに情報が手に入るため、日本の状況は良くわかるようになりました。しかし日本の情報が身近に感じられるからこそ、ふとした時にその場にいられない寂しさや孤独が付きまといます。

日本で開催している楽しそうなイベントの情報を見たときや、日本の友人が集まって過ごしている話を聞いた時、「日本にいればこんな楽しい時間が過ごせるのに、自分はここで何をしているんだろう?」「日本を離れるという選択は正しかったのだろうか?」と感じたり、あるいは日本で起こった災害のニュースを聞いて、苦しんでいる人を見ながら外国にいて何もできない自分に、どうしようもないもどかしさを感じることがあります。

家族の話

国際結婚をする上で避けては通れない家族の話。どちらかの国に移住するのであれば、どちらかの家族とは離れ離れになることを意味します。自分の家族との結びつきが強ければ、ちょっとした時に会いにいけないこと、家族に何かがあった時にすぐに駆けつけられないことは大変なストレスになります。

また旦那さんや奥さんとは英語や日本語で何とか話せていても、相手の国の言葉をうまくしゃべれないと、相手家族とのコミュニケーションを取るのにも苦労します。結局頼れる相手が主人・妻のみとなってしまうと、お互いにとって行き詰まってしまう環境にもなりかねません。

国際結婚をしているというだけで、「羨ましい!」「子供生まれたら可愛いだろうね!」と言われることもありますが、内情はそれほど簡単なものではありません。それぞれのカップルにそれぞれの苦悩があって、一つ一つ乗り越えていくことが国際結婚で幸せになる秘訣だと思います。日本人同士であれば出てこないような問題も、国籍が違うということで大きな悩みのタネとなるのです。決して華やかなだけではない、国際結婚の真実でした。

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