千代ケ崎砲台跡を見学 当時の建築技術など学ぶ

砲台跡を見学する参加者ら=横須賀市西浦賀

 東京湾防衛のため、明治期に築かれた国指定史跡「千代ケ崎砲台跡」(横須賀市西浦賀6丁目)で24日、市民向けの見学会が開かれた。36人が参加し当時の建築技術などを学んだ。

 見学会は、市観光課の主催。2016年に同砲台跡を含む「東京湾要塞(ようさい)跡」が日本遺産に指定されたことを受け、旧海軍鎮守府が置かれた広島県呉、長崎県佐世保、京都府舞鶴の3市と共同実施する「日本遺産ウイーク」の期間に毎年開催している。

 参加者は市教育委員会生涯学習課による案内の下、弾薬庫跡や、雨水を簡易的にろ過して飲料水などとして使う「貯水所」を見学。砲台に使われた石積みが明治中期の旧陸軍で特徴的に見られた「ブラフ積み」であることなどが伝えられた。

 訪れた同市の親子は「これほど身近に戦争遺跡があると知り、驚いた。下水道など今に通じる部分がある」と感心していた。同砲台跡は、1895年に完成。戦後は民間の農地として使われた後、防衛省の所有となっているが、2015年に国史跡に指定されたことを受け、同課が管理している。同課の課長は「戦争遺跡としての側面もあるが、実際にその目で見てもらい、現代へと続く技術の一端を感じてもらえたら」と話している。

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