「美つしま」11月上旬発売 対馬・河内酒造の純米酒 韓国客減少受け支援 長崎県内5カ所の酒店で

美つしまをPRする伊藤代表社員(左)と大場代表=県庁

 長崎県対馬市美津島町の河内酒造は、山田錦を100%使用した純米酒の新銘柄「美つしま」を製造した。日韓関係悪化に伴い韓国人観光客が激減している同市を支援しようと、県内五つの酒店で11月上旬から販売する予定。
 従来、河内酒造の日本酒は9割以上が対馬市内で消費されていたという。県産酒と離島の振興に取り組む長崎市の富士見町大場酒店の大場信之代表(63)が今春、新銘柄を立ち上げて県内で販売することを同酒造に提案。販売を前に韓国人客が減少したことを受けて県内の酒店に協力を募り、販売店を増やした。
 「美つしま」の精米歩合は60%。山田錦特有の米の甘みが口の中に広がり、後口はすっきりとした味わいという。
 23日、県庁で会見した河内酒造の伊藤浩一郎代表社員(60)は、韓国人客の減少による影響について「8、9月の売り上げは20%程度減った」と説明。「美つしまを飲んで、対馬にもおいしい酒があるということを県民に感じてほしい」と話した。大場代表は「経済活性化につなげるためにも県内で消費する流れをつくりたい」と意気込んだ。
 価格は、いずれも税抜きで1.8リットル入り2500円、720ミリリットル入り1300円。大場酒店のほか、光冨商店(長崎市万屋町)中尾酒店(同市江川町)西岡屋(西彼長与町)堤酒店(佐世保市)で販売する。

© 株式会社長崎新聞社