セ・リーグMVPを予想 本命は“無冠”の巨人坂本勇、対抗は投手“3冠”の山口か

巨人・坂本勇人(左)、広島・鈴木誠也【写真:Getty Images、荒川祐史】

鈴木が好成績も広島は4位、打者は巨人坂本勇に次いで丸と岡本が候補?

 日本シリーズも終わり、NPBの2019年シーズンは終わった。あとはMVP、ベストナイン、ゴールデングラブなどの表彰を待つことになる。今季のMVPを占おう。

 MVP(最優秀選手)は、今季最も活躍した選手に与えられる最高のアワードだ。記者投票によって選出される。NPBの場合は、過去の例から以下の原則が導き出せる。

・ポストシーズン(日本シリーズ、CS)の成績は加味されない
・リーグ優勝チームから選ばれることが多い
・投手、野手の区別なく選出される
・投打タイトルについても考慮される

 セ・リーグのMVP候補を予想しよう。

 野手陣は、RC(Runs Created、打者の総合指標 安打、長打、四死球、盗塁、犠打、犠飛を加味)の10傑を出す。

1 鈴木誠也(広)167安28本87点25盗 率.335 RC 126.93

2 坂本勇人(巨)173安40本94点5盗 率.312 RC 121.48

3 山田哲人(ヤ)141安35本98点33盗 率.271 RC 121.11 

4 丸佳浩(巨)156安27本89点12盗 率.292 RC 102.49 

5 ソト(De)139安43本108点0盗 率.269 RC 95.945

6 筒香嘉智(De)126安29本79点0盗 率.272 RC 94.22

7 ビシエド(中)168安18本93点2盗 率.315 RC 92.28 

8 岡本和真(巨)147安31本94点3盗 率.265 RC 90.64 

9 大島洋平(中)174安3本45点30盗 率.312 RC 87.09

10 青木宣親(ヤ)145安16本58点1盗 率.297 RC 82.93

 打撃タイトルは、

首位打者 鈴木誠也(広).335
最多安打 大島洋平(中)174安打
本塁打王 ソト(De)43本塁打
打点王 ソト(De)108打点
盗塁王 近本光司(神)36盗塁
最高出塁率 鈴木誠也(広).453

 RCでは広島の鈴木が1位。鈴木は首位打者、最高出塁率のタイトルも獲得。しかし3冠王でもとらない限り、4位の広島からMVPを獲るのは難しそうだ。RC2位の坂本勇が有力。次いでRCで10傑内にいる丸、岡本が候補か。

山口は投手“3冠”も…沢村賞は「該当者なし」で受賞ならず

 投手陣はPR(Pitching Runs、投手の総合指標:[リーグ平均防御率-投手の防御率]×投球回÷9で算出)のランキング。リーグ防御率は3.89

1 大野雄大(中)9勝8敗0セーブ0ホールド
 177回2/3 156奪三振 防2.58 PR 25.82

2 ジョンソン(広)11勝8敗0セーブ0ホールド
 156回2/3 132奪三振 防2.59 PR 22.74

3 西勇輝(神)10勝8敗0セーブ0ホールド
 172回1/3 112奪三振 防2.92 PR 18.51 

4 山口俊(巨)15勝4敗0セーブ0ホールド
 170回 188奪三振 防2.91 PR 18.50 

4 今永昇太(De)13勝7敗0セーブ0ホールド
 170回 186奪三振 防2.91 PR 18.50 

6 岩崎優(神)3勝0敗0セーブ26ホールド
 53回2/3 58奪三振 防1.01 PR 17.20 

7 ジョンソン(神)2勝3敗0セーブ40ホールド
 58回2/3 91奪三振 防1.38 PR 16.37

8 ロドリゲス(中)3勝4敗1セーブ41ホールド
 60回1/3 77奪三振 防1.64 PR 15.09

9 島本浩也(神)4勝0敗1セーブ11ホールド
 59回1/3 60奪三振 防1.67 PR 14.65 

10 床田寛樹(広)7勝6敗0セーブ0ホールド
 139回2/3 101奪三振 防2.96 PR 14.39

 投手タイトルは、

最多勝 山口俊(巨)15勝
最高勝率 山口俊(巨).789
最優秀防御率 大野雄大(中)2.58
最多奪三振 山口俊(巨)188
最多セーブ 山崎康晃(De)30
最多ホールドポイント ロドリゲス(中)44HP

 PRの1位は防御率のタイトルを獲得した中日の大野雄。巨人では山口が4位。山口は最多勝、最高勝率、最多奪三振と3つのタイトルを獲得している。しかし、沢村賞の選で漏れたように、傑出した成績とまでは言えない。

 セ・リーグのMVP、本命は主将としてもチームを引っ張った坂本勇、対抗は3つのタイトルに輝いた山口ではないか。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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