被災地襲う大雨 箱根で130ミリ、相模原は避難勧告も

横浜地方気象台

 低気圧の影響で25日は県内も大雨となり、台風19号の被災地はまたも復旧作業を阻まれた。相模原市は土砂災害の恐れがあるとして、甚大な被害が出ている緑区の一部に避難勧告を発令。小中学校や公民館などに約130人が避難した。

 「雨が続き、作業ができず困っている。さらに崩れてこないか心配だ」。19号の記録的な豪雨で自宅そばの斜面が崩れ、庭に土砂が流れ込んだ男性(71)=相模原市緑区=はため息をつく。「昨晩は何度も目が覚めた。妻と避難所に行くべきか話し合ったが、そうこうしているうちに雨が弱まった」と、雨の降り方に神経をすり減らす日々に疲労の色をにじませる。

 市の災害ボランティアセンターはこの日、活動を中止。26日は再開するが、担当者は「雨の影響や被災者の状況を確認しながら慎重に取り組む」としている。

 横浜地方気象台は25日午前、相模原市のほか、横浜、川崎、横須賀、小田原市など県内各地に大雨警報を発表。午後5時までの総雨量は箱根町で130.5ミリに達し、相模原市緑区でも122ミリを記録した。横浜市金沢区では落石があった。

 また、大雨の影響で一部の小中学校などが休校となったほか、県が城山ダム(相模原市緑区)の放流量を増やしたことを受け、市は「相模川の付近には絶対に近づかないように」とツイッターなどで呼び掛けた。

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