善徳寺道場の改修へ調査 県西部観光社

 県西部の企業・団体でつくる観光地域づくり推進法人(DMO)「県西部観光社 水と匠(たくみ)」(稲垣晴彦代表理事)は、南砺市の城端別院善徳寺の境内にある研修道場の改修に向けた調査に乗り出す。民藝(みんげい)運動ゆかりの地である同寺の歴史を踏まえ、工芸作家の活動拠点を目指す。25日に砺波市の若鶴酒造大正蔵で開かれた総会で報告した。

 同寺は民藝運動を創始した柳宗悦が思想の集大成「美の法門」を執筆した場所として知られる。研修道場は戦後、柳の弟子で立山町出身の木工家、安川慶一によって建てられた。

 現在はほとんど使用されていないため、手仕事に関心を持つ工芸作家の拠点に再生して「民藝の聖地」とする。改修ではエネルギーを自給自足するオフグリッド建築を採用する。

 総会では本年度の事業計画を承認。ヤフーと共にビッグデータを活用した観光マーケティング調査を実施するほか、産業観光ツアーや人材育成セミナーを企画する。砺波市内の古民家を宿泊施設にリノベーションするための準備も進める。

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