WRC第13戦スペイン:トヨタ、競技初日は総合4~6番手。「午後のステージではすべての歯車が噛み合った」とミーク

 2019年のWRC世界ラリー選手権第13戦スペイン(ラリー・エスパーニャ)に3台のワークスマシンを投入しているTOYOTA GAZOO Racing WRT。大会初日となった25日(金)はクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合4番手につけたほか、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合5番手、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合6番手につけた。

 ラリー・エスパーニャの競技初日は途中ターマック(舗装路)セクションもあったものの、グラベル(未舗装路)主体の6SSで争われた。

 大会が行われているスペイン・カタルーニャ地方では週前半に豪雨があった影響で、走行序盤は路面も一部湿ったような状態に。しかし、日が昇るにつれて路面も乾いていき、滑りやすいルーズグラベルが路面を覆うようなコンディションへ変化していった。

 シェイクダウンでトップにつけたミークはSS4を終えた時点で総合6番手。しかし、この日最後のステージだった今大会最長38.85kmのSS6でステージ2位を刻む快走をみせて総合4番手までジャンプアップを果たした。

 自身初のシリーズチャンピオン獲得獲得がかかるタナクは先頭走者として不利なコンディションのなか走行を強いられたが、午前中の3SSを終えた時点で総合3番手。

オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)

 しかし、午後は路面の乾燥が進み、より滑りやすくなったことでペースが上がらず、首位と21.7秒差の総合5番手で走行を終えた。ラトバラは、午後の走行でペースを上げタナクと8.4秒差の総合6番手につけている。

 トミ・マキネン・レーシングOYから4台目のヤリスWRCで参戦している勝田貴元はSS6でパンクするアクシデントがあったものの、総合9番手につける好走をみせた。

「悪くない順位で1日を終えることができた。もちろん、さらに上位を目指したが、今朝のコンディションは予想外で簡単には行かなかった」と語るのはチーム代表のトミ・マキネン。

「サービスでクルマを調整した結果、クリス(ミーク)とヤリ-マティ(ラトバラ)は午後のステージで自信を持って走れるようになった。オットに関しては出走順がベストではなく、特に午後は不利な条件だったから、それを考えれば非常にいい仕事をしたと思うし、首位との差も大きくは開いていない」

「我々のクルマはターマックで高い戦闘力を備えており、明日は今日よりも路面コンディションが安定していると思うから、どのような展開となるのか、期待を高めているよ」

 陣営トップにつけたミークは「午後のステージではすべての歯車が噛み合った。クルマのフィーリングが大きく変わり、クルマを信頼して運転することができた」とコメント。

「ラリーが始まる前は1日が終わった時点でトップと10秒差につけていたいと考えていたが、13秒差ならば上々だ。今年、ターマックでの自分のペースはいいし、ヤリスWRCはターマックステージで本当に速いから、自信がある」

ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)

 タナクは「明日は新たな、そして今日とはまったく違う1日となるので、力強い戦いができることを期待している」とコメント。ラトバラは「朝のステージではあまり自信を持てなかったが、サービスでサスペンションに調整を施したところ、午後はちゃんと戦えるようになった」と述べている。

 2019年のラリー・エスパーニャ、競技2日目となる26日(土)は初日から一転してターマック主体の1日で、SS7~13までの7SSが行われる。7本のSSの合計距離は121.72km、リエゾン(移動区間)を含めた1日の総走行距離は462.96kmだ。

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