パロウがポール&貴重な1ポイント獲得で逆転王座近づく。山本、キャシディは3列目スタート【スーパーフォーミュラ第7戦予選】

 10月26日(土)、全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦JAF鈴鹿グランプリの予選が行われ、アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)が今シーズン3回目のポールポジションを獲得した。ランキングトップの山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は5番手、2位のニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)は6番手となり、チャンピオン争いはさらに混沌となった。

 第6戦岡山国際サーキット大会に続き、今回も予選Q1はA組とB組の2グループに分けて行われた。気温23度、路面温度は25度というドライコンディションで予選が始まった。

 A組に登場したのは、山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)、小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、ハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)、国本雄資(KONDO RACING)、中山雄一(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)だ。

 まずはパロウがコースイン。残り時間7分を切ると、続々と各車がコースへ出ていった。フリー走行で大きなクラッシュを喫したニューウェイも、マシンの修復を終えてQ1に参加することができたが、リヤ部分のパーツは一部カラーリングされていない状態だ。

 ウォームアップに2周を費やし、最初にアタックを終えたパロウが1分37秒871というトップタイムをマーク。山本が1分37秒934で2番手に続いた。平川が1分38秒041で3番手につけ、一貴、野尻、ニューウェイと続いた。結局1分37秒台のタイムを記録したのはパロウと山本のみ。国本、可夢偉、中山、石浦がQ1敗退となった。

 続くB組に登場したのは、ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)、山下健太(KONDO RACING)、ルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)、坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)、ユーリ・ビップス(TEAM MUGEN)、塚越広大(REAL RACING)の10名だ。

 この第7戦JAF鈴鹿グランプリでスーパーフォーミュラデビューを果たしたビップスが1分38秒390を記録するが、そのタイムをを山下、塚越らが上回る。さらに福住が1分37秒393を記録してトップに立ち、牧野が1分37秒419で2番手につけた。

 タイトルを争うキャシディは3番手でチェッカー。アウアー、塚越、坪井までがQ2進出となった。関口、ビップス、そしてチェッカー間際に立体交差下でスピンを喫してマシンを止めた大嶋がここで予選を終えた。

■パロウが驚速タイムでタイトルに近く3度目のPP

 7分間で争われるQ2。まずは山本が1分36秒486をマークするが、直後に福住が山本のスリップをうまく使えたか、1分36秒124の好タイムをマークしてトップに立った。Q1に続いて先頭でコースへ出ていったパロウが3番手、牧野が4番手に続いた。

 終盤にはアウアーが1分36秒392で2番手に浮上し、野尻もパロウを上回り4番手にポジションアップ。その野尻と接戦だったキャシディが最後にアタックを終えて8番手とギリギリでQ3進出を決めた。ニューウェイ、山下、一貴、平川が敗退となり、Q3へ進出する8台中7台がホンダ勢、トヨタ勢はキャシディのみとなった。

 同じく7分間で争われるQ3は、残り時間4分半ほどになってキャシディと野尻がコースイン。1分ほどして続いてパロウ、野尻、牧野、塚越、アウアーらも続いた。最後の福住がガレージを出たのは、残り時間が3分を切ってからだ。

 計測1周目にアタックを行ったパロウはセクター1を25秒台の驚速タイムで走り抜け、セクター3でも全体ベストタイムをマークし、1分35秒972を記録。アウアーが2番手、山本が1分36秒348で3番手だったが、福住、野尻が山本を上回った。

 結局、パロウのタイムを上回るドライバーは現れず、パロウが今シーズン3回目のポールポジションを獲得し、チャンピオン争いに貴重な1ポイントを手にした。野尻が2番手に並び、アウアーが3番手。パロウ、野尻、キャシディはアウトラップからウォームアップ1周を経てアタックを行い、山本はアウトラップの翌周にアタックを行った。このあたりのタイヤのウォームアップの仕方も、タイムに影響を及ぼしたと考えられる。

 ランキングトップの山本は最終的に5番手となり、ランキング2位のキャシディは1分36秒595で6番手。ランキング3位のパロウがポールポジションからスタートし、昨年もタイトルを争った山本とキャシディが揃って3列目から明日、14時00分からの決勝レースをスタートする。チャンピオン争いは山本29点、キャシディ28点、パロウ26点となり、上位3人が3ポイント以内となった。

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