【ラグビー】昨年度対抗戦王者に痛い敗戦 秩父宮でのリベンジ誓う/練習試合VS帝京大

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練習試合 vs帝京大

慶大12−29帝京大

10月20日(日)11:15K.O.

@帝京大学百草グラウンド

ラグビーワールドカップ日本大会開催に伴う対抗戦休止期間に入ってからは京都産業大、同志社大と対戦してきた慶大蹴球部。10月20日(日)には、同じ対抗戦Aグループに所属し来月に対戦を控える帝京大と、この時期には異例といえる練習試合が実現した。

WTB高木一成(商4・慶應)のトライで先制し、前半終了時点で7-7とロースコアでの拮抗した試合展開を見せたものの、後半に入ってからは連続失点を喫して12-29で敗れた。

T=高木、原田
G=中楠

前半はスクラムで終始帝京大を圧倒。さらに、自陣での反則から相手のラインアウトモールで押し込まれる場面も見られたが、前週、ジュニア選手権に出場しこの日Aチームでの出場を勝ち取ったNo.8濱野剛己(総3・桐蔭学園)のジャッカルや、CTBイサコ・エノサ(環1・King’s College)のタックルで相手の攻撃の芽を摘んだ。

エノサ(写真右)らのタックルが要所で光った

5分、SO中楠一期(総1・國學院久我山)の長いキックが相手のノックオンを誘い、またもスクラムでゴール前に迫る。慶大もノックオンをとられ相手ボールスクラムとなるも、スクラムからボールを奪い、CTB栗原由太(環4・桐蔭学園)、FB沖洸成(総3・尾道)と右に展開して最後はWTB高木一成(商4・慶應)が先制のトライを決めた。

高木の先制トライ

その後はディフェンスラインの間を突かれて突破を許すも、今月チームとして力を入れているブレイクダウンの攻防でも優位に立ち、FL山本凱(経2・慶應)らフォワード陣が簡単には得点を許さなかった。

しかし31分、右サイドからキックで攻め込まれると、ゴール前で約2分の攻防の末にこの日最初の失点を喫し、7−7の同点で試合を折り返した。

序盤はFW勝負で優位に立った

後半は開始から自陣に迫られると、モールで連続してアドバンテージを与えるなど、序盤から流れをつかむことができない。4分に勝ち越しのトライを許せば、11分には前半優勢だったスクラムから展開してくる相手の攻撃に対応できず7−19と点差を広げられてしまう。

大山のタックル

PR大山祥平(経3・慶應)が試合後「スクラムは試合全体の流れを変えてしまう」と振り返った通り、ここから流れは帝京大に傾いた。

21分には相手ウィングにハーフウェイラインから独走トライを許すと、その後の再開のキックオフでボールを受けた相手に一気に22mライン付近まで攻め込まれ、再び失点。7―29と突き放された。

怒涛の連続失点で主導権を譲った慶大だったが、試合終盤、ラインアウトからボールを受けた、途中出場のSH高野倉健生(商4・慶應志木)のタッチで攻め上がる。敵陣ゴールライン前での相手ラインアウトからモールを形成すると、そのまま押し込みトライ。ラストワンプレー、一矢報いる形でノーサイドを迎えた。

1ヶ月後に対戦する帝京大を相手に痛い敗戦。2週間前には同志社大を相手に3年ぶりの定期戦勝利を挙げただけに、10月を連勝で終えたいところだった。

この対抗戦休止期間中、選手たちが課題に挙げていたのは後半に入る際の気持ちの部分。この約1ヶ月半の間の3試合では、いずれも後半の方が多く失点を重ねている。後半に入って消耗した場面や、選手が入れ替わった際の連携が課題として残った。

しかし、後ろ向きな話題ばかりではない。春シーズンや対抗戦前半に出番のあまりなかったNo.8濱野やFB沖の活躍、LOアイザイア・マプスア(総1・King’s College)とCTBエノサの留学生コンビの加入、そしてSH五藤隆嗣(商1・慶應)やWTB鬼木崇(法1・修猷館)ら1年生の台頭など、今月に入ってから試合の中心となる選手が変わってきた。また、以前より安定感を増したセットプレーや、この1ヶ月力を入れてきたブレイクダウンでの攻防は、今後慶大の武器になるだろう。これらを起点に、試合を通して好調を維持できるかが鍵となる。

ラインアウトの安定感は増してきた

いよいよ来月4日(月)の日体大戦で対抗戦が再開するが、その週末10日(日)には、ここまで全勝街道をひた走る、昨年度大学日本一の明大との対戦が控えている。いきなりハードな日程だが、ここまで2勝1敗と背水の陣で迎える慶大は、ひとつも落とせない戦いが続く。ここからの巻き返しに向けた勝負の秋は、すでに始まっているのだ。

攻守で活躍が目立つ川合。ターンオーバーから得点につなげていきたい

(記事:竹内大志 写真:川下侑美、刀禰仁生、萬代理人、八幡藍)

以下、出場メンバー、試合後コメント

◇出場メンバー

Starter

1.PR(プロップ) 有賀光生(総4・國學院久我山)

2.HO(フッカー) 原田衛(総2・桐蔭学園)

3.PR(プロップ) 大山祥平(経3・慶應)

4.LO(ロック) アイザイア・マプスア(総1・King’s College)

5.LO(ロック) 今野勇久(総1・桐蔭学園)

6.FL(フランカー) 川合秀和(総4・國學院久我山)

7.FL(フランカー) 山本凱(経2・慶應)

8.No.8(ナンバーエイト) 濱野剛己(総3・桐蔭学園)

9.SH(スクラムハーフ) 五藤隆嗣(商1・慶應)

10.SO(スタンドオフ) 中楠一期(総1・國學院久我山)

11.WTB(ウィング) 鬼木崇(法1・修猷館)

12.CTB(センター) イサコ・エノサ(環1・King’s College)

13.CTB(センター) 栗原由太(環4・桐蔭学園)

14.WTB(ウィング) 高木一成(商4・慶應)

15.FB(フルバック) 沖洸成(総3・尾道)

【Booster】

16. 田中慶伸(総2・桐蔭学園)

17. 松岡勇樹(法1・慶應)

18. 室星太郎(総4・静岡聖光学院)

19. 川端隼人(理4・國學院久我山)

20. 篠原孝太(政2・慶應)

21. 大谷陸(政3・慶應)

22. 良知健佑(商4・慶應NY)

23. 内田尚輝(経4・慶應)

24. 高野倉健生(商4・慶應志木)

25. 田中優太郎(経4・慶應)

26. 佐々木隼(総1・桐蔭学園)

27. 鎌形正汰(商3・慶應)

28. 三木亮弥(環3・京都成章)

29. 宮本恭右(総3・慶應)

30. 小谷田尚紀(経3・慶應志木)

選手変更

56分 五藤隆嗣→21 高野倉健生

69分 鬼木崇→30 宮本恭右

72分 濱野剛己→27 良知兼佑

◇試合後コメント

CTB栗原由太主将(環4・桐蔭学園)

──試合を振り返って

前半はあと2トライぐらい取れたなと思います。そこを取れなかったのが(負けた)一つの大きな要因で、あとは後半の入りから20分のところで自分たちが受け身になったところにつけ込まれてしまいました。帝京さんの強いフォワードにやられてしまったという感じです。点差ほどの実力差は感じていないのですが、勝てないということが今の課題ですね。僕はメンタル面の問題だと思っています。相手に攻撃されてしまったときに気持ちが切れやすいといいますか、そこからさらに相手の思い通りのプレーをさせてしまうことが多いです。

──今日のゲームプランは

バックス陣としては、ゴールドゾーン(敵陣の奥深く)へのキックを積極的に仕掛けていこうと話していました。できた場面も結構ありましたし、前半はいい形で敵陣でプレーできていたと思います。バックス陣がいい形でトライを取ることができたのでよかったです。

──ご自身のプレーについて

そこまで悪くはなかったかなと思います。この期間でやってきた練習の成果を出せたなと感じていますし、結果トライに結びついたプレーもありました。あとはファーストアタックのときにもう少し自分でゲインできればもっとよかったかなと思います。キャリーの精度を上げていきたいです。

──試合後にはアタックの練習もされていましたが、やはりそのような意識があったからなのでしょうか

そうですね。自分の課題があったというのもありますが、自分がやらないとみんなもやらないと思うので。自分が感じたことを試合後の感覚があるうちに練習できれば次の試合にもつながっていきやすいのかなと思ったので、今日は練習してみました。

──W杯明けの日体大戦に向けて意気込みを

本当に、全員が「勝つ」という気持ちを持ってそれをただただ出すだけでも結果は違ってくると思います。それさえできればチームの雰囲気も変わってくると思うので…。練習や食事はもちろん、私生活でも「勝ち」によりこだわって2週間突き詰めていければ自ずと結果もついてくると思うので、しっかりと取り組んでいきたいと思います。

PR大山祥平(経3・慶應)

――試合を振り返って

前半はセットプレーでプレッシャーをかけられていて良いイメージだったんですけど、後半の開始20分くらいで一気に流れを持っていかれて、そのままズルズル終わってしまいました。

フォワードで帝京を相手に圧をかけられたというのは収穫です。

――前半優勢だった要因は

この公式戦がない期間、スクラムの強い京産大や同志社と試合をしてきたことで自分たちのできていないところを修正してきたので、その成果が今日出たのかなと感じます。

――後半の失速の原因は

相手の選手が変わった時に(スクラムの)組み方が変わって、そこに自分たちが対応できずに一気に流れを持っていかれました。

スクラムは試合全体の流れを変えてしまうところがあって、後半はペナルティをとられてしまいました。そこは修正して、1ヶ月後にまた帝京大戦もありますし、そこに向けてやっていく後半も勝っていきたいです。

――対抗戦再開に向けた課題はありますか

前半は良くて後半に失速するというのが慶應のよくあるパターンというか。後半にいまいち気持ちが乗っていないと相手に流れを持っていかれることが多いので。

前半がいい時こそ、後半も気を抜かないということ、流れということを意識して日頃からやっていきたいです。

FL山本凱(経2・慶應)

――試合を振り返って

フォワードが優勢だった前半はいい流れでできましたが、点数を重ねることができず、後半は劣勢になって悪い流れになってしまいました。

――後半失速した要因は

後半に入るメンタルの部分と、フィットネスのどちらかだと思います。

――前半はターンオーバーが目立ちました

最近、ブレイクダウンの練習をチームとしてやっているので、その成果が出たんだと思います。

――自身のプレーを振り返って

ディフェンスで働けたかなという感じですが、全然よくなかったのでもっと色々な場面で顔を出して、ボールキャリーもタックルもしたいと思っています。

――次のAチームの試合は対抗戦です

今、ユニットにフォーカスして練習しているので、しっかりフォワードとして強くなって、チームとしても今日出た課題を修正して対抗戦は全て勝利して終わりたいです。

FB沖洸成(総3・尾道)

──試合を振り返って

自分たちがアタックしたときはいい感じに点を取ることができましたが、後半の入りでは相手の勢いに呑まれてしまってずるずると行ってしまいました。後半でもう一度スイッチを入れられるようにしていく必要があるなと思いました。

──12-29というスコアについて

前半に(点を)取れる場面でミスをしてしまった結果だと思います。今後はミスをしないように一つ一つ大事にしていかないといけないと思います。

──ご自身が最近好調の理由は

Aチームに上がったことで自信を持ってプレーすることができるようになったことが大きいと思います。

──夏の練習の成果が出ているということでしょうか

そうですね。下のチームにいたときに基礎の部分がしっかり固まったので、それがつながっているのだと思います。

──ご自身は比較的小柄な選手ですが、今日のように大柄な相手に対してどのようなプレーを心がけていらっしゃいますか

自分はステップが強みなので、そこで相手を翻弄して攻めていきたいなと思っています。

──次の日体大戦に向けての意気込みを

ただ勝つだけではなくて(相手を)圧倒できるように頑張りたいと思います。

◇今後の対抗戦日程

11月4日vs日本体育大学 14:00K.O.

@上柚木公園陸上競技場(東京都)

11月10日vs明治大学11:30K.O.

@秩父宮ラグビー場(東京都)

11月23日vs早稲田大学 14:00K.O.

@秩父宮ラグビー場(東京都)

11月30日vs帝京大学 11:30K.O.

@秩父宮ラグビー場(東京都)