【大学野球】仙台大・鷹育成2位左腕の大関が3者三振締め! 日本S観戦で「あの舞台に立てるように」

ソフトバンク育成2位で指名を受けた仙台大・大関友久【写真:高橋昌江】

仙台大が7回コールド、10-0で東北公益文科大を下す

 明治神宮大会(11月15日~20日・明治神宮野球場)の出場をかけた「第11回東北地区大学野球代表決定戦」の1回戦が26日、仙台市民球場で行われ、仙台大(開催地リーグ第2位)が東北公益文科大(南東北大学リーグ代表)を10-0の7回コールドで下した。ソフトバンク育成2位に指名された左腕・大関友久(4年)が最終7回に登板。3者連続三振で締めた。

 17日のドラフト会議でソフトバンクから育成2位指名を受けた仙台大の左腕・大関が7回のマウンドに向かった。育成とはいえ、これからプロの世界に進む投手の登場に場内の視線は集中した。先頭の石森大誠(4年)をストライク2球で追い込むと、ストレートで空振り三振を奪って1アウト。代打・関優太(2年)にはカウント1-1からファウルで粘られたが、最後はチェンジアップを空振りさせた。右打ちの8番・伊東凛太郎(2年)にカウント2-1から外角へストレートを投げ込み、見逃し三振。3者連続三振で貫禄を見せつけた。

「スムーズに、いい形で投げられたと思います」と安堵の表情を見せた大関。7日に閉幕した秋季リーグ戦後に変えた投球フォームがしっくりきた。ピッチングの量を減らし、キャッチボールに時間を費やしたことで「自分に合ったバランスを見つけられた」という。

 リーグ戦の反省も活かした。東北福祉大との1回戦(5日)は8回途中から登板。9-9の同点で無死一、二塁から始まるタイブレークの延長10回もマウンドに立った。1死満塁で4番・清水聖也(4年)を迎えたが、初球の内角直球をレフトスタンドに運ばれた。決勝のグランドスラムを浴び、9-13で敗戦。「バッターを冷静に見て投げていなかった」と悔やんだ。

オリックス育成7位の佐藤も「7番・右翼」で出場し2安打をマーク

「インコースを狙ったのですが、ボール1個分、中に入ってしまった。正直、悪いボールではなかったけど、初球から簡単にいきすぎました。バッターを見極めて、ボールでいいという気持ちで投げられたはず。そこが足りなかった。対バッターへの意識があの試合で、あのホームランで変わりました」

 投球フォームがしっくりきたことも相まって、この日は冷静なマウンドさばきを見せた。

 ソフトバンクと巨人による日本シリーズも観戦し、「ここに混ざるのかと思うと、やる気が湧いてきた」とモチベーションにした。「ああいうところで投げられるように自分をしっかりと磨き、あの舞台に立てるようにすることが目標」と大関。その前に、目指すは仙台大初の明治神宮大会出場。「とにかく、勝てるように」と27日の決勝でも出番を待つ。

 攻撃では、オリックスから育成7位指名を受けた佐藤優悟(4年)が「7番・右翼」で出場。1打席目に左安、2打席目に左中間へ適時二塁打を放ち、3、4打席目は四球で出塁した。「進路が決まったことで焦りやプレッシャーがなかった。自分らしくできたと思います」と納得の表情。数日前に変えた打撃フォームが「うまいことはまった」と笑顔を見せた。

 27日は東北福祉大と対戦する。仙台大はリーグ戦2位で、開催地枠での出場。リーグ戦優勝の東北福祉大には1勝のアドバンテージがあり、仙台大が優勝するには2勝しなければならない。佐藤は「厳しい戦いになるのは相手も同じ。僕らが1勝すれば、相手も2試合を戦うことになる。東北福祉大にはリーグ戦で負けていて追う立場。下克上、下から這い上がる気持ちで頑張ります」とチームを代表して意気込んだ。(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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