小値賀でビーチウエディング 海岸風景など島の魅力生かす

列席者からフラワーシャワーの祝福を受ける浅尾さん夫妻(中央)=長崎県北松小値賀町、柿の浜海水浴場

 長崎県北松小値賀町は26日、美しい海岸風景など島の魅力を生かした結婚式事業を開催した。公募で選ばれた東京都の会社員、浅尾邦彦さん(25)、佳奈さん(29)夫妻が雄大な自然の中、挙式などに臨んだ。
 交流人口拡大や滞在型観光を促す事業の一環。昨年の「大学生観光まちづくりコンテスト」(運営協議会主催)で、最高賞に輝いた活水女子大の学生が考案したプランを基にした。ブライダル事業を手掛けるワタベウェディング(京都市)が運営を担い、町民有志も設営や司会で協力した。
 夫妻は大学のオーケストラサークルの先輩後輩で、2人で五島市などを旅行したことのある離島のファン。今年6月、小値賀の特産品を提供する都内の居酒屋で企画を知り応募した。12組の中から志望理由などの審査を受け選ばれた。
 式当日は「姫の松原」など名所で写真撮影し、中心部の笛吹郷の商店街をトラックでパレード。町内放送を聞いた住民が沿道を埋め尽くし、夫妻が車上から祝い餅をまいた。披露宴会場は北部にある「柿の浜海水浴場」。夫妻は青い海を背に親族らが見守る中、結婚を宣言した。サザエとウニのご飯やアワビの塩釜焼きなど魚介類をふんだんに使った料理を列席者は味わった。
 邦彦さんは「(列席者以外も)パレードに集まった多くの人から祝福いただき、温かい気持ちになった」。佳奈さんは「家族は美しい景観を喜んでくれた。今回行けなかった場所を巡りに、また訪れたい」と語った。

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