DeNA関根、初参戦のメキシコWLで初マルチ 「引き出しを増やして帰りたい」

DeNA・関根大気(右)と濱矢廣大【写真:福岡吉央】

プロ6年目の24歳、今季はファームで83試合出場、打率.329、12本塁打

 メキシコのウインターリーグに参加し、「ヤキス・デ・オブレゴン」でプレーしている横浜DeNAベイスターズの関根大気外野手が25日(日本時間26日)、敵地で行われたベナードス・デ・マサトラン戦に「2番・中堅」でフル出場し、メキシコで初のマルチ安打を記録した。チームは7-6で勝利。連敗を2でストップし、前期リーグ6勝6敗の5位タイとした。

 関根は、無死一塁で迎えた初回の第1打席で三塁への内野安打で出塁し、5番打者の満塁弾で生還。その後、一ゴロ、遊ゴロ、遊飛と凡退したが、先頭で迎えた9回の5打席目には内角球をうまくさばき、俊足を生かして右翼線への三塁打。後続が倒れ、本塁こそ踏めなかったが、守っても5回に中越え二塁打を放った相手走者が三塁を狙った際にカットマンまで好返球し、進塁を阻止。守備でもチームの勝利に貢献した。

「またチャンスをもらえたことに感謝しています。2本打てて、チームが勝てたことがよかった。これからも日々成長しながらヒットを積み重ねていきたいです」

 プロ6年目、24歳の関根は今季1軍では32試合、わずか1安打で打率.038にとどまったが、ファームでは83試合に出場。打率はイースタン・リーグ2位の.329、12本塁打、44打点、8盗塁と結果を残しており、自らメキシコでのウインターリーグ挑戦を球団に志願していた。

充実の武者修行「日本とは違う練習方法もあるし、勉強になる」

 メキシコには開幕前日の11日(同12日)に到着。日本とは州によって14~16時間の時差がある中、12日(同13日)の開幕戦から9番センターで出場した。メキシコの投手は下半身を使って投げる日本の投手とは異なり上半身主体で投げるため日本の投手よりもキレがなく、終速が遅い。また、マイルで表示される球速と実際に打席に立った際に感じる速さに違いがあり、開幕直後はその誤差への対応に苦しんでいたが、その問題も1週間で解消した。

 開幕から3試合は計10打数1安打と結果を残せず、16日に出場選手登録を抹消されていたが、この日9試合ぶりにスタメン復帰した。チームは3カード連続で1勝2敗と負け越し。ここ4試合でわずか7得点と打線が足を引っ張っていたが、関根は助っ人として起爆剤の役割を果たした。

 オブレゴンでは、同じDeNAの乙坂智外野手が昨年まで2年連続でウインターリーグでプレー。オブレゴンの街を歩くと、地元ファンから「去年までオトサカっていう日本人がいたんだ。知っているかい?」と聞かれることも多く「僕も今年結果を残して、来年そう言われるようにしたい」と意気込んでいた。試合前には、22日(同23日)に現地に合流したDeNAのチームメイト、マサトランの濱矢廣大投手とも再会。お互いの健闘を誓い合った。

 昨年オフは12月に約3週間ドミニカ共和国で自主トレを行い、2年連続のラテンアメリカでの生活になる。スペイン語も積極的に覚えようとするなど、充実した日々を送っており「メキシコでの生活は楽しい。日本とは違う練習方法もあるし、勉強になる。いろいろ引き出しを増やして帰りたい」と目を輝かせた。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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