WRC第13戦スペイン:タナクが2019年のシリーズチャンピオンに。トヨタに1994年以来の栄光もたらす

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 2019年のWRC世界ラリー選手権第13戦スペイン(ラリー・エスパーニャ)は10月27日、SS14~17が行われ、総合2位でフィニッシュしたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)がランキング2位以下に対するリードを30ポイント以上とし、2019年シーズンのシリーズチャンピオンに輝いた。大会は前日トップに立ったティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が逃げ切り、2019年シーズン3勝目を飾っている。

 全14戦で構成されている2019年のWRC。シリーズでは1大会で最大30ポイント獲得可能で、シーズン残るは第14戦オーストラリアのみ。タナクはランキングでのリードを28ポイントとしてラリー・エスパーニャに挑んだため、第13戦終了時点でリードを30ポイント以上とすれば、自身初のシリーズタイトル獲得を果たす状況だった。

 そのタナクは競技初日に行われたSS6終了時点で総合5番手につけると、ターマック(舗装路)主体で争われた競技2日目は7SS中4SSで最速タイムを刻む快走で、総合3番手に浮上する。

 迎えた競技最終日、タナクはSS14~16も危なげない走りで総合3番手の座をキープ。総合首位にはチャンピオンを争うヌービルがつける状況で最終ステージのSS17を迎えた。

 このままの順位でフィニッシュした場合、タナクの累計ポイントは255。対するヌービルは224で、31ポイント差となる状況だが、SS17はステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージに指定されており、この結果次第で最終戦までチャンピオン争いがもつれる情勢だった。

 全長20.72kmのSS17、ヌービルは10分53秒4でステージ3位。そのヌービルに続いてアタックしたタナクは10分49秒6でステージ1位となった。

 この結果、タナクは0.4秒差で総合2位に浮上。加えてパワーステージ1位となったことで累計ポイントを263としたのに対し、ヌービルは優勝+ステージ3位で累計227ポイント。ポイント差が36ポイントとなったため、タナクが自身初となるWRCワールドチャンピオンに輝いた。コドライバーズランキングでもマルティン・ヤルヴェオヤが王座を獲得している。

 トヨタにとっては1994年のディディエ・オリオール以来、2017年のWRC復帰後では初のドライバーズタイトル獲得となった。また、2013年から続いていたセバスチャン・オジエによるシリーズ連覇を止める結果ともなった。

「最高の気分だ。なんて表現していいかわからないよ。今週末感じていたプレッシャーは、これまでと比べ物にならないほど大きなものだった」とタナク。

「WRCのシリーズチャンピオンになることは、人生にとって大きな目標だったから本当にうれしいよ。チームのみんなに感謝したい。本当に最高の仕事をしてくれた」

 総合優勝を飾ったヌービルは第4戦ツール・ド・コルス、第5戦アルゼンチン以来2019年シーズン3勝目。総合3位にはダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)が入っている。

 ヌービルは「特に最後のステージは最高のフィーリングだった。素晴らしいマシンを作ってくれたチームに感謝している」と優勝の喜びを語っている。

 総合4位はセバスチャン・ローブ(ヒュンダイi20クーペWRC)、総合5位はヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が獲得した。

 2019年シーズン最終戦となる第14戦オーストラリアは、11月14~17日に行われる。