【「ハル」連載・後編】藤木直人は○○好きの男!?「他のことを忘れて、ずっと考えてられるのがいいです」

【「ハル」連載・後編】藤木直人は○○好きの男!?「他のことを忘れて、ずっと考えてられるのがいいです」

シングルマザーの海原晴(中谷美紀)が、大手総合商社の経営企画部・部長補佐として一般常識にとらわれることなく奮闘するドラマ「ハル~総合商社の女~」(テレビ東京系)。「仕事は楽しく!」「撤退より攻め!」という熱い思いを持ち、時にはトップダウンすら覆すほどの彼女の姿に、見ていてスカッとする方も多いのではないでしょうか?

インターネットTVガイドでは、本作品のインタビュー連載を前・後編にわたって敢行! 前編の中谷さんに続き、後編で登場いただくのは、ハルの上司で元夫でもある和田寿史を演じる藤木直人さん。演じる役柄や、ハルを演じる中谷さんの印象、また大好きな“あの趣味”についてなどさまざまなお話を明かしてくれました!

──和田は、奥田瑛二さん演じる副社長の高山雄一郎をうまく丸め込みながらも陰でハルを後押ししていて、物事を円滑に進める能力に長けている印象を受けました。藤木さんから見て、和田はどういう人物に見えますか?

「そういうふうに見えつつも、ハルに全てを押し付けているような気もして、『まず自分が動け!』という思いもありますね(笑)」

──ちなみに、藤木さんは「ホタルノヒカリ」(日本テレビ系)でも部長役だったので、インタビューの前編で中谷さんが「藤木さんは部長キャラなんだな」と言われてました!

「当時は、ありえないくらいの年齢で『部長』と呼ばれていたので説得力がなかったんですけど(笑)。ようやく年齢が追いついてきたかなと」

──今回こそ、まさしく“部長”ということで(笑)。ただ、作中では和田が何を目的としているのか思惑がまだ見えないですよね。

「逆にそこが視聴者の皆さんに興味を持っていただけるポイントになったらいいなと。ただ、僕は和田の思いは最初からすごくいちずだと感じています」

──そういう部分を意識して演じられるのでしょうか?

「そうですね。でも、彼らが働く大手総合商社の五木商事という組織は大きいから、ただ単に自分が頑張ることが会社を動かすことじゃないのかもしれないですよね。だから、和田はあえてそういう立ち回り方をしているのかなと思っています」

──藤木さんご自身の性格は、和田の性格と似ていますか? 場面に応じてうまく立ち回れるタイプですか?

「僕は今までそんなに大きい組織にいたことがなくて、個人商店なので(笑)。でも、周りの人とのコミュニケーションは大事だと思うので、事前にみんなに出欠を取って『食事会とかやる?』と提案することもあります」

──中谷さんも藤木さんのことを「周囲の人々の動きがよく見えているタイプの方で誰よりもスケジュールを把握なさっていて、頼りがいがある」と言われていました。

「役者が気にしなくていいことを気にするタイプなので(笑)。中谷さんは完璧な人で、お芝居の面ですごく頼りがいのある人なんですよね。だから、逆にそういう撮影順やスケジュールのことはきっと気にしてないんだろうし。僕が『次のシーンは壁を外してセットが変わるよ』と伝えると、『へぇ~!』みたいな反応です(笑)。あと、過去に共演させていただいた時、待ち時間に中谷さんから『せっかくなのでセリフを合わせませんか?』と言っていただくことがありましたね。僕はその時、すごくセリフ量のある役だったので、僕は僕でいっぱいいっぱいになりながらやらせてもらっていました。ちなみに、いつもは一人でぼそぼそと練習しているタイプです(笑)」

──藤木さんから見て、中谷さんの印象はいかがですか?

「演技だけではなくて、多趣味ですよね。音楽や書道などストイックにいろんなことをやられる方で…すごいなと、ただただ感心するばかりです」

──ドラマのサブタイトル「~総合商社の女~」にちなみ、もしご自身を表すとしたら藤木さんは何の男になりますか?

「じゃあ、『釣り好きの男』で! そんなにしょっちゅうは行けないんですけど、たまに海に行って釣りをしています。釣りのいいところは、釣れた瞬間の快感はもちろんですけど、釣るためにいろいろ考えないといけないじゃないですか? 例えば、釣れない時はなんで釣れないのか? 魚がいないからなのか、それともルアーの選択が悪いのか、レンジ(水面から底までの深さ)が悪いのか…というのをずっと考えてられるから、その他のことを忘れられるのがいいですね」

──ハルのセリフで「楽しく仕事がしたい」というものがありましたが、そのようなハルの仕事に対する考え方は、藤木さんから見ていかがですか?

「それが理想ですよね。ただ、取り巻く環境や立場によっては、誰しも全員が楽しんで仕事ができるかどうかというと、そうではない部分の役割を担わなきゃいけない人もいるのかもしれないし、すごく難しいところだとも思います」

──藤木さんは、仕事をする上で大切にしていることはありますか?

「作品に参加させていただく時に『この方と共演させていただきたい』とか『こういう題材だから参加したい』という、自分の中で前向きになれるポイントがあるのかどうかは考えています」

──視聴者の中には、仕事に対して前向きになれなかったり、なかなかやる気が出ない方もいらっしゃると思います。そんな皆さんに、藤木さんからエールがあれば、ぜひお願いします!

「いろんな人間関係や組織体系とかもあるので、簡単には言えないんですけど…みんなで力を合わせて何かをやり遂げるって単純に気持ちいいことだと思うので。小さなことでもいいから、そういう成功体験を積み重ねていったら、前向きに考えていけるんじゃないかなと思います」

【プロフィール】


藤木直人(ふじき なおひと)
1972年7月19日生まれ。千葉県出身。連続テレビ小説「なつぞら」(NHK)、「イノセンス 冤罪弁護士」(日本テレビ系)、「グッド・ドクター」「FINAL CUT」(ともにフジテレビ系)、「母になる」(日本テレビ系)、「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」(TBS系)、「ホタルノヒカリ」シリーズ(日本テレビ系)、映画「LAST COP THE MOVIE」などの話題作や、バラエティー番組「おしゃれイズム」(日本テレビ系)に出演。2020年1月11日から舞台KERA CROSS 第二弾「グッドバイ」が上演予定。

【番組情報】


ドラマBiz「ハル ~総合商社の女~」
テレビ東京系 月曜 午後10:00~10:54
BSテレ東 金曜 午後9:00~9:54

取材・文/鬼木優華(テレビ東京担当)
撮影/蓮尾美智子

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