<千葉豪雨>新たに1人不明 被害全容いまだ見えず

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 台風21号の影響による記録的な大雨の被害で、千葉県は27日、新たに茂原市の50代女性の所在が分からず、死者・行方不明者が計10人になったと発表した。これまでにけが人の情報はなかったが、長南町では重傷者が1人いたことも判明。住宅浸水被害は午後6時時点の集計で床上130戸、床下375戸に上った。広い範囲で冠水し、復旧作業が続く茂原市や佐倉市などの数値は含まれておらず、全半壊や一部損壊を含め、被害の全容把握にはなお時間がかかりそうだ。

 県によると、行方不明の女性は大雨に見舞われた25日に同市の豊田川で流されたとみられ、警察や消防、自衛隊などが捜索に当たっているが、27日午後6時時点で見つかっていない。長南町の重傷者は80代男性で25日に土砂崩れに巻き込まれて右足を負傷した。

 これまでに19河川で氾濫が確認されており、茂原市や佐倉市の広域冠水は国土交通省の排水ポンプ車で対応。ただ、排水先の河川の水位が高いことなどから思うように進まない状況だったという。

 北印旛沼(印西市)では26日午前、水位が氾濫寸前の4.25メートルに到達。水位は下降傾向にあるものの、27日午後6時40分時点でも3.46メートルで、警戒を始める水位(2.8メートル)よりなお0.66メートル高い。

 農林水産被害は38市町村で確認され、佐倉市でビニールハウスの被害があったほか、同市を含む広い範囲でネギやイチゴ、大根なども水に浸った。ただ、生育が持ち直す可能性もあるため、被害額の算定は現時点で困難という。

 また、8漁港で河川から流出した竹木が漂着し、特に天津漁港(鴨川市)と小糸川漁港(君津市)では船が出せない事態に。天津漁港は26日中に撤去が完了したが、小糸川漁港では漂着した100立方メートルのうち半分程度の撤去しか済んでいない。県も助力したい考えだが、相次ぐ災害で業者がつかまらず、着手は来週になる見通しだ。

 死者9人の内訳は千葉市緑区で3人、茂原市と市原市で各1人、長柄町と長南町で各2人。住宅被害は浸水以外で全壊6戸、半壊2戸、一部損壊1戸となった。

 鴨川市で発生していた断水は27日朝に解消した。

 27日午前に県庁で開かれた災害対策本部会議で森田健作知事は、被害のあった道路・河川などの早期復旧や、浸水による災害廃棄物対応で市町村を支援することなどを指示した。