バス用ルアーの代名詞的存在、スピナーベイト。各社からさまざまなタイプが発売されているが、キャリアの長い人ほど、そしてこのルアーを使い込めば込むほど、“足りない”ものを感じるかもしれない。新たに発売されたDEX SPTG(デックススピナーベイト)は、その欠けているピースを埋めてなおこだわりのパーツが満載、エキスパートをも唸らせる死角なき布陣と完成度を誇る。プロト段階からこのルアーを使い込んできた、甲斐拓也さんが語るデックススピナーベイトとは?
ダブルコロラドという選択肢!!
いつの頃からか、スピナーベイトのブレードタイプはタンデムウィローが主流となり、現在に至る。万能といえば万能。ただし、それひとつですべての状況に対応できるわけではない。
その意味において、今月ピュア・フィッシング・ジャパンのバークレイブランドからリリースされたデックススピナーベイトは、このジャンルに長けたアングラーの手による開発と思わざるをえない。
バスだけでなくソルトゲームにも精通したネクスト・ジェネレーションの注目株、甲斐拓也さんがデックススピナーベイトのアドバンテージとして挙げたのはまさにその部分だ。
【Profile】
甲斐拓也(かい・たくや)
バスだけでなくソルトウォーターゲームにも精通するマルチアングラー。経験値を積み上げるため、今季から釣り場環境に恵まれた房総半島へと移住。ハードベイトオンリーの大会H-1GPXにも参戦するなど、スキルアップに取り組む姿勢はどん欲そのものだ。
甲斐「ダブルコロラドがあるんですよ。僕自身、これまで他社製のを使っていたんですが…このブレードタイプをラインナップに揃えているスピナーベイトって日本にはごくわずかしかない」
甲斐「同サイズのタンデムウィローと巻き比べてみると分かりますが、ダブルコロラドは明らかに引き抵抗が大きい。それだけ強く水を攪拌しているんです。だから濁ったときなど欠かせない。そして実際に釣れる。もしかしたら使う人が少ないから、というのもあるかもしれませんね」
ダブルウィローはより速く巻いたり、もしくは逆に、深いレンジで浮き上がらせずにゆっくり巻きたい時に起用。
ブレードの組み合わせ、そしてヘッドウエイト。それぞれの個性を把握することで、状況や水質、魚の状態に合わせた盤石のローテーションが可能になるということだ。
個性をハッキリと打ち出したデックススピナーベイト!
ブレードバリエーションとあわせ、甲斐さんはデックススピナーベイトならではのキャラクターにも言及。
甲斐「チタンワイヤーを採用しているのでアームが変形しない。これも大きなメリット。スピナーベイトってファイト中や抜き上げで余計な力が加わると、アームが思いっきり曲がってしまったり、最悪折れてしまうことがありますよね。
でも、デックススピナーベイトはその心配がまったくない。常に買ったときと同じ、ベストなセッティングで使うことができるんです」
そしてこう続ける。
甲斐「今のスピナーベイトって、コンパクトなモデルが多いじゃないですか。でも、DEXはフルサイズというか、ウエイトに応じてしっかりとボリュームを持たせている。そしてそれぞれにベストなワイヤー径とブレードサイズで組んでいるんですよ。
なので、ウエイトが重くなれば必然的に強さが増します。3/4オンスのタンデムウィローだとまさにビッグブレードって感じの表現がふさわしいサイズになる。台風や大雨のあとなどによく使ってるんですが、これがまた釣れるんですよね! フックのサイズや太さもデカいバスを掛けてもまったく問題ありません」
シンプルかつ定番的パーツで構成されるスピナーベイトは、個性を主張するのが難しいルアーとも言える。そこにきてDEX SPTG(デックススピナーベイト)は、王道を貫きつつ、バスという結果に辿り着くための独自路線を明確にしている。
これほどのハイクオリティでありながら、手ごろな価格設定はデックスシリーズの共通項(税抜き価格1050~1100円)。買わない理由が見当たらない。