新幹線長崎ルート フル前提議論「応じない」 佐賀県知事、国交相に伝達

会談を前に握手を交わす赤羽国交相(左)と山口知事=東京、国交省

 九州新幹線長崎ルートで未着工となっている新鳥栖-武雄温泉(佐賀県)の整備方式を巡り、赤羽一嘉国土交通相と山口祥義佐賀県知事が28日、国交省で会談した。終了後、山口知事は同省が開催を目指す関係4者の協議について「フル規格と決め、それがにじみ出るような形での議論に応じることは厳しいと伝えた」と述べ、フル規格が前提ならば参加しない意向をあらためて示した。

 整備方式を協議してきた与党検討委員会は8月、同区間を本県が求めるフル規格で整備する方針を固めた。山口知事は多額の財政負担などを理由に反発。この日の会談は赤羽国交相が9月の就任時に意欲を示したことで実現したが、あらためて佐賀県のフル規格への反対姿勢を確認した場となった。

 会談は冒頭を除き非公開。終了後、記者団の取材に応じた山口知事によると、さまざまな整備方式の選択肢の中で時間をかけて議論することは「やぶさかでない」と伝えたが、フル規格のための協議であれば応じられない考えを伝えたという。

 「今日はさまざまな意見交換にとどまった。引き続きこうした場で議論したい」と述べ、今後も赤羽国交相との会談を継続していく考えを示した。国交相の発言内容については「一つ一つに対してコメントがあったわけではない」とし、4者協議への参加要請も「具体的な話をされたとは思っていない」とした。

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