外国人の住民急増で日本語教室が悲鳴 ボランティア先生が経費を自己負担、人手も不足

©株式会社京都新聞社

ボランティアから日本語を教わる外国人住民(城陽市寺田・市国際交流協会)

 外国人住民に日本語を教える地域の教室が、支援者不足などの課題に直面している。多くがボランティアによって運営されているが、急激な外国人住民の増加に対応できず、待機者が出ている教室もある。京都府は教室の充実に向け推進計画案をまとめたが、地域によって状況やニーズにばらつきがあり、実情に応じた教育環境の整備や総合的な生活支援が求められている。

 「日本語、ちょっとできるようになった。先生がよく教えてくれるから」。京都府城陽市寺田の市国際交流協会内にある教室「夢気球」。同市の食品工場で働くベトナム人技能実習生グェン・ティ・ハインさん(29)は、3月から週2回通っている。授業を受けられるのは夜勤明け。眠い目をこすりつつ「帰国したら日本語を教えたり、日本企業で働いたりしたい」と机に向かう。
 教室は、地域の要望を受けて同協会が2011年に開設した。夜勤や不定休で働く生徒の都合に合わせ毎日、研修を受けた地元ボランティアが読み書きを教える。生徒から年会費3千円を集めるが、ボランティアの交通費や教材費は自己負担だ。今年はベトナムや中国、インドネシアなど20カ国67人が在籍。うち約半数が、宇治市や井手町など近隣市町から通う。
 城陽市の外国人住民は721人で、5年前から約2割増えた。教室の受講希望者も後を絶たず、今春にはボランティア不足から募集を停止。夏には再開したが、既に12人の待機者が出ているという。家族と来日した子どもの編入学を支援するケースもあり、教室が担う役割は広がるばかりだ。
 大久保雅由事務局長(57)は「いろんな相談が寄せられ、ボランティアでは対応が難しいこともある。日本語学習だけではなく、子どもを含めた総合的な支援が必要。行政は地域の現状を認識し、企業と連携して支援の在り方を考えてほしい」と求める。

■未開設の自治体も

 京都府内の外国人住民は、昨年末に初めて6万人を突破した。地域で開設されている日本語教室は26カ所。自治体が場所や一部経費を提供する教室もあるが、ボランティアの交通費や研修費などは大半が自己負担だ。向日市(9月時点の外国人住民数528人)や宇治田原町(同307人)、宮津市(同165人)など、10市町村は未開設という。
 教室の利用者は、技能実習生や日本人と結婚した女性らが多い。技能実習生は増加傾向にあり、4月には外国人就労を拡大する新在留資格「特定技能」制度の運用が始まった。府内でも、宇治市の飲食料品製造業で1人が働き始めている。受け入れに向け動く企業は多く、今後も増加が予想される。
 外国人就労者の拡大を見据え、府は今後5年間の施策の方向性を示した「地域における日本語教育推進プラン」の中間案を作成した。空白地域での教室開設や学習プログラムの作成支援を担うコーディネーターの配置、学習支援者の確保などを盛り込んでいる。
 国も6月に日本語教育推進法を策定。ただ、地域における支援の具体化はこれからだ。府内の支援者からは、北部など交通手段が乏しい周辺部に住む人へのサポートや、家族と来日して支援の手が届きにくい子どもへの対応などを求める声も上がっている。
 府国際課は「来年度の事業に反映できるよう支援策を検討している。日本語教室に限らず、部署を横断して取り組んでいきたい」としている。同プラン中間案は28日まで意見を募集している。