悲願の世界一へ ドジャースがリンドーアの獲得を検討か

アンドリュー・フリードマン政権下での5年間、ドジャースは生え抜きの有望株を大切に育て、外部からの補強はフリーエージェントまたは大きな対価を必要としない「レンタル」でのトレードにとどめてきた。しかし、今オフはその方針が変化する可能性がある。関係者によると、ドジャースは1988年以来のワールドシリーズ制覇を成し遂げるために、インディアンスのスター遊撃手、フランシスコ・リンドーアの獲得に動く可能性があるという。

現在、ドジャースでは2016年新人王のコリー・シーガーが正遊撃手を務めているが、度重なる故障の影響もあり、シーガーは2016年を上回るシーズンを過ごすことができていない。リンドーアを獲得してシーガーを三塁へ回し、守備力に陰りの見られる正三塁手のジャスティン・ターナーを一塁へ回すことも考えられるが、すると強打者のマックス・マンシーか有望株のギャビン・ラックスのいずれかをベンチに置かなければならない。リンドーアを獲得するのであれば、シーガーはインディアンスに移籍するのではないにしても、トレード要員となるのは確実だろう。

リンドーアは走攻守すべてをハイレベルで兼ね備えたスイッチヒッターであり、明るい性格でムードメーカーとしても魅力的な存在である。「MLB Trade Rumors」の予想では、シーガーの来季年俸は700万ドル前後、リンドーアは1600万ドル前後となっているが、倍以上の金額を支払ってでもシーガーをリンドーアに置き換える価値は十分にあるだろう。ドジャースほどの資金力がないインディアンスにとっても、リンドーアに代わる遊撃手としてシーガーを手に入れられるのであれば、それほど悪い話ではないのかもしれない。なお、両者とも2021年シーズン終了後にフリーエージェントとなる予定である。

ドジャースは、チームトップ2の有望株であるラックスとダスティン・メイの放出は拒絶すると見られており、ウィル・スミスの成長により余剰戦力となりつつある有望株捕手のケイベルト・ルイーズ(球団3位の有望株)が、シーガーとともにトレード要員の中心となるだろう。昨オフのトレードでレッズから獲得したジョシア・グレイ(同4位)とジーター・ダウンズ(同5位)にも放出の可能性があるかもしれない。

悲願のワールドシリーズ制覇に向けて、スター遊撃手を獲得する大型トレードは実現するのか。今後の動向には大きな注目が集まることになりそうだ。

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