伝統の着色技法学ぶ デザイン・ワークショップ

野阪和史さん(左)から金属を酸化させる技法について説明を受ける学生=色政

 県総合デザインセンターの産学官連携事業「とやまデザイン・トライアルワークショップ」が29日、高岡市内で行われ、武蔵野美術大(東京)の学生が工場見学を通して高岡銅器の伝統的な着色技法について理解を深めた。

 武蔵野美術大工芸工業デザイン学科の3年生14人が参加。9月から鋳物製品のデザインや商品提案に取り組んでおり、実際に現場で職人の話を聞こうと、28日から高岡市内のメーカーを回っている。

 29日は銅器着色の色政(同市横田本町)を訪問。野阪好照代表(62)と長男の和史さん(32)から金属を特殊な溶液で酸化させて漆を塗り、はけを使って艶やむらを出すという着色技法について説明を受けた。

 コーヒードリッパーの製作を進めている湯徳希望(のぞみ)さん(20)は「金属をわざと酸化させてきれいな色を出せるのに驚いた。作品に生かしたい」と話した。

 事業は県内のものづくり企業と県内外の大学を結び、就職マッチングに役立てようと毎年実施している。成果は来年2月に都内で発表する。

漆塗りの作業を見守る学生
着色した金属板を手に取る学生

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