今季低迷のパイレーツ ハンティントンGMの解任が決定

今季後半戦で25勝48敗に終わり、9年ぶりの地区最下位に沈んだパイレーツ。ボブ・ナッティング会長は大きな変化の必要性が「クリスタルのようにハッキリしている」と発言していたが、その言葉の通り、今オフのパイレーツは首脳陣の刷新を進めている。クリント・ハードル監督、フランク・クーネリー社長に続く「第3弾」として、日本時間10月29日、ニール・ハンティントンGMの解任が発表された。

社長とGM、そして彼らが雇った監督の3人全員がチームを去ることにより、パイレーツは完全なる新たな時代を迎えることになった。ナッティングは「グラウンドの内外やクラブハウスでの動きを見たり、我々がドラフトで指名して育ててきた選手が他球団で活躍しているのを目にしたりして、我々のファンは飽き飽きし始めている。私もその1人なんだ。今こそ、チームを違う方向に進めていく必要がある」と語り、大胆なチーム改革に乗り出した理由を説明した。

ナッティングは、8月にはすでにチーム改革の必要を感じ始めていたという。レギュラーシーズン最終戦の前にハードルを解任し、続いて先週にはクーネリーも解任。その時点では、ハンティントンはGMの座に留まっていたが、ナッティングはハンティントンも解任して完全に首脳陣を入れ替えることを決断した。なお、球団社長にはすでにトラビス・ウィリアムスが新しく就任している。

オフシーズンの移籍市場での動きに向けて、パイレーツはまずハンティントンに代わるGM探しを進めていくことになるが、暫定的にGM補佐のケバン・グレイブスがフロントの指揮を執ることになるという。GMが決まり次第、新監督探しが再開され、その後コーチ陣の顔ぶれも決定し、来季以降のパイレーツの方向性が明らかになってくるだろう。

クーネリーとハンティントンの下で、パイレーツは20年連続負け越しという不名誉な記録をストップし、1992年以来となるポストシーズン進出も達成。2013年から3年連続でポストシーズン進出を果たし、その躍進ぶりは「ビッグデータ・ベースボール」でも取り上げられた。しかし、球界が進化を続けるなか、その「魔法」も効力がなくなり、首脳陣が総退陣という結果に。新GMと新監督には、球界の進化に適応した新たなチーム作りという難しいタスクが課せられることになりそうだ。

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