台風21号が「カリフォルニアワイン」高騰の危機を呼ぶ

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AFP/アフロ

アメリカのカリフォルニア州で、10月27日、非常事態宣言が発令された。州内いたるところで山火事が発生しており、折からの強風にあおられ、消火活動が難航しているのだ。

特に北部の火事はカリフォルニアワインで有名なソノマ地区で発生し、すでに約65平方キロが焼失した。炎は乾燥しきった空気と強風で瞬く間に燃え広がり、発生から5日たった28日の段階で268平方キロを焼き尽くし、全体の5%しか鎮火していない。この山火事により、20万人に避難命令が出されている。

実は、この山火事と、日本を襲った台風21号が強く関連しているのだという。気象予報士の白戸京子さんがこう語る。

「日本の上空にはジェット気流という強い風が流れていて、西から東にぐるりと地球を回っています。その流れが南北に蛇行することで、地上付近の天気も大きな影響を受けるのです」

台風21号は、別の低気圧と並んで移動したことで、日本に大きな被害をもたらした。上空にものすごい量の水蒸気を送ったのだが、同時にジェット気流の蛇行を極端に大きくした。

「台風のパワーがジェット気流に勢いを与え、東側にあった乾燥した空気の上空に伝わり、アメリカ西海岸に乾燥と高温をもたらしました。アラスカでは平年より30度も高い気温のエリアができ、カリフォルニアはものすごい強風が吹きあれました。山火事近くのセントヘレナの最大瞬間風速は39メートル。地元メディアは46メートルの地点があったとも報道しています。

山火事から200キロ近く離れたシリコンバレーは、ふだんあまり風が吹かないところですが、日曜日には最大瞬間風速が17メートルも吹いて、山火事の煙が流れ込んでいます。台風21号のパワーが、アメリカ各地に極端な天気をもたらしたのです」(白戸さん)

ジェット気流はロッキー山脈に低温をもたらし、その流れはヨーロッパにまで影響を与えているという。

「カリフォルニアでは古くなった送電システムが新たな火事を引き起こす可能性があるため、電力会社が計画停電を実施し、300万近い住民が影響を受けています。

さらに、空気汚染の予防警報も出され、バーベキューや暖炉で火を使うことが禁止になりました。車の使用も自粛して、公共交通機関を使うよう、呼びかけられています。山火事の煙の影響で、休校するところも増えています」(白戸さん)

向こう1週間、カリフォルニアにまとまった雨の予報は出ていない。住民たちの不便と不満はまだしばらく続きそうだ。