侍J高橋礼、大会球で“ライズボール”に!? 稲葉監督も期待「外国人に有効」

ブルペン入りした侍ジャパンのソフトバンク・高橋礼【写真:Getty Images】

ブルペンで合流後初めて投球練習を行い「指にかかると、かなり上がっていく」

 11月2日(日本時間3日)に開幕する「第2回 WBSCプレミア12」に出場する野球日本代表「侍ジャパン」。現在、沖縄・那覇市内で2次合宿中を行い、本大会に向けて調整を進めている。10月31日、11月1日には「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019」カナダ戦を最後の実戦の機会とし、世界一への戦いが始まる。

 投手陣で“ジョーカー”として期待されているのは、ソフトバンクの高橋礼投手。世界的に見ても珍しいアンダースロー、かつ、最速は145キロと、本格派サブマリンだ。昨年の日米野球でもメジャーリーガーを相手に存在感を発揮し、今回の侍ジャパンでは中継ぎ、先発双方の役割で期待されている。

 ただでさえ、浮き上がってくる高橋礼の球筋だが、その威力をさらに高めることができるかもしれない。それが、大会で使用される試合球の違いだ。「プレミア12」ではSSK社のボールが大会使用球として用いられる。選手らによると、普段使うNPB球よりも若干小さく感じるという。

 29日の練習で、初めてブルペンでの投球練習を行った高橋は、ボールの感触を問われると「指にかかった時はかなり上がっていく感じがします」と語る。ソフトボールの“ライズボール”のようなものだ。

「高めの真っ直ぐが大事になる。手が伸びるゾーンではなく、近いところにしっかり投げられるか」と打者の内角高めをポイントに挙げた高橋礼。稲葉篤紀監督も「日米野球でも高めのストレートで空振り、ファウルを奪うのを見ていましたので、対外国人バッターに対しては有効な球だと思います」と語った。

 サブマリン右腕の起用法について「中もやってもらうし、先発もあり得る。どの投手もですけど、どこで生かすかしっかり考えていきます」と語る指揮官。「試合の中で流れを変えられるような存在になりたい」という“令和のサブマリン”をいかに使うか、も世界一へのポイントになりそうだ。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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