渋谷ハロウィン 周辺小売店に酒類販売の自粛を要請 道路を渡ったコンビニで買えるのに何の意味が?

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写真はイメージです(撮影・篝一光)

渋谷でのハロウィーンを巡る騒動が、どこかおかしくなっている。2018年のハロウィーンで一部暴徒化した連中が車を横転させる、ドサクサに紛れて痴漢を働く……などの犯罪行為に痺れを切らした渋谷区が、飲酒を禁じる条例を施行したのはマスコミ等で周知の通り。

本サイトでも条例可決前に取り上げたが、正式には2019年6月19日にハロウィーンと年越しの時期を狙い撃ちにした飲酒規制条例が賛成多数で可決、翌20日に施行された。

その条例施行後、初めてのハロウィーンとなった先週末の10月25日~27日、渋谷区は規制対象地域であるスクランブル交差点周辺やセンター街などに職員を派遣し巡視する一方で、周辺のコンビニや酒類を販売する店舗に販売“自粛”の“要請”を出したのである。

10月25日の朝日新聞によれば、「~規制対象の区域内にある計41店舗に種類そのものを販売しないように求め、これまで、ディスカウント大手ドン・キホーテやコンビニなど14店舗が要請に応じると回答」したという。また、同紙によれば残りの店舗も概ね協力的だが、数店舗は応じなかった。区はその数店舗に対して “説得”を続けたというのだ。

実際問題として、週末は多くの種類販売店が販売自粛に協力、大手メディアは足並みを揃えて大きな混乱はなかった、と報じた。しかし、である。条例制定以前、一部識者からは、車を横転させるなどの犯罪行為の原因を、「飲酒のみ」に押し付けることに疑義を唱えていたことを覚えているだろうか。

また、この疑義と同時に、同様の混乱が考えられるラグビーワールドカップや2020年の東京オリンピックなどの場合はどのように対応するのか? という話も識者などからは出ていた。実際、今週末に決勝戦が行われるラグビーワールドカップに関しては、その盛り上がりとともに、主として外国人観光客による(控えめにいって)騒動がマスコミを賑わしている。

筆者もワールドカップでは新宿を中心とした大騒ぎを目の当たりにしたし、本サイトでも取り上げた。

その際感じたのは、確かに酒の影響もあるかもしれないが、外国人観光客の個々は飲酒していても騒動を起こすようなケースは少なく(当たり前だが)、マスコミで取り上げられるような行動をとるのは、複数の人間が集まったときが圧倒的に多かったのだ。いわゆる「集団心理」であろう。

これらの状況を渋谷に当てはめれば、根本的な問題はやはり集団心理であり、やみ雲に飲酒を禁止すれば済むという話ではないのではないか。条例にしても飲酒禁止、または販売自粛を要請しているエリアはごく一部であり、大都会渋谷では道路一本隔てれば酒類の購入は可能だ。極端な話、飲酒禁止、というか「酔っぱらい禁止」を徹底するなら、該当地域に無数にある飲食店からアルコールを排除する必要もある。

そもそも来年に行われるオリンピックにしても、大手酒類メーカーがスポンサーに名前を連ねている。もし渋谷のようなケースが会場周辺で起こった場合も飲酒禁止、販売自粛を求めることが出来るのか……。

今回の渋谷区のように、「自粛」「要請」と言った同調圧力で、まっとうに営業している販売店を圧迫するような事態が起こる前に、抜本的な対策を講じる必要があるだろう。(文◎鈴木光司)