ア軍コール、ナ軍レンドン…今オフFAの大物を複数抱えるボラス氏
アストロズとナショナルズが激突している今年のワールドシリーズ。両軍大物選手を多数顧客として抱える大物代理人スコット・ボラス氏を、米全国紙「USAトゥデー」が特集。「どちらが勝っても彼が最大の勝者になる」と論じている。
同紙は「ワールドシリーズで活躍しているトップフリーエージェント選手達は代理人が同じである」とのタイトルで詳報。「このワールドシリーズが、彼にとって他の誰よりも重要な意味を持っている。でも、彼はバットを振っているわけでも、ボールを投げているわけでもない。コーチさえもしていない。彼は、南カリフォルニアの自宅から試合を見ているが、どちらのチームも特に応援していないと語っている」とした。
さらに「どちらのチームが勝とうとも、彼が最大の勝者になることは間違いない」と伝えた。ボラス氏は「これまでもワールドシリーズで活躍する有名選手の代理人だったことはあるが今回とは比べ物にならない」と語ったという。
同紙は「FA資格がある野手でトップはナショナルズのアンソニー・レンドン三塁手で、2億5000万ドル(約272憶5000万円)以上の契約になるのではないかとされている」と指摘。さらに「FA資格のある投手でトップは、投手として歴代最高額の契約になることが確実視されている(レンドンよりも高額契約になるかもしれない)、アストロズのゲリット・コールがおり、どちらも代理人はボラス氏である」と伝えた。
そして「第6戦先発予定のナショナルズの投手、スティーブン・ストラスバーグは、オプトアウト(契約破棄)してFAになるかもしれない。彼の代理人もボラス氏である」と続けた。レンドンは「僕らは既にリッチなスコットをもっとリッチにするね」と同紙に語っている。
ボラス氏「PSでの活躍で、選手の価値は更に高くなる」
記事では、ボラス氏が両チームのロースターの内9人の代理人を務めている。その中にはアストロズのホセ・アルトゥーベ内野手や、ナショナルズの21歳のフアン・ソト外野手らも含まれているとし、「この2チームの将来にもの凄く影響力がある」と強調した。
さらに「もしナショナルズがワールドシリーズに来年戻ってきたいなら、彼らにはどうしてもレンドンが必要だ」と指摘。ナショナルズは既に7年総額2億1000万ドル(約228憶9000万円)をレンドンにオファーしたが、ボラス氏は「十分な額ではない」とこの金額に難色を示したという。
記事は再びストラスバーグに言及。ナショナルズは、マックス・シャーザー(ボラス氏のクライアント)とともに先発ローテーションの要として残ってほしいが、4年総額1億ドル(約109億円)が残るナショナルズとの契約に対してオプトアウトするかもしれないとし、「今年オプトアウトしなても、来年する可能性もある」とボラス氏のコメントを添えた。
そして「ストラスバーグもレンドンもポストシーズンの活躍により価値は更に上がっている」と言及。ボラス氏の「とにかく、この冬にとても人気になるだろう。ポストシーズンで活躍して勝ち続けることで彼らの価値は更に高くなる」とのコメントを紹介している。
記事では「ワールドシリーズで何が起きても、ボラス氏はクライアントとともに巨額の富を得ることになるだろう」と締めくくっている。
ワールドシリーズの結果にかかわらず、ボラス氏の顧客は既に選手としての価値を高めた。確かに辣腕ボラス氏が最大の勝者であるようだ。(Full-Count編集部)