宮城・角田の浸水深刻 農業に打撃 大豆収穫目前に廃棄か、イチゴ出荷遅れ懸念

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浸水したハウスのイチゴを見つめる小野さん=28日
浸水被害を受けた大豆を手にする遠藤さん=29日

 台風19号で宮城県角田市の農業が打撃を受けている。収穫を控えた大豆は水に漬かり、廃棄せざるを得ない状況だ。浸水したイチゴハウスは出荷の遅れが懸念される。市によると、農作物の被害は28日現在で約2億円、農林業用施設は約35億円に上り、さらに拡大するとみられる。

 同市枝野地区の農事組合法人「Green(グリーン)5えだの」の遠藤喜久寿代表(68)は悔しそうに田んぼで転作する大豆を見つめた。阿武隈川支流に通じる用水路が越水し、15日まで4日間も浸水した。栽培面積は約10ヘクタール。泥だらけの大豆のさやをむくと、実は腐りかけていた。

 「一面水に漬かった畑を見て覚悟はした。商品にならず全て廃棄するしかない」と嘆く。納豆用は10月下旬、「ミヤギシロメ」は11月下旬に収穫予定だった。

 藤田地区のイチゴ農家小野貴嗣さん(40)の低地にあるハウス全11棟が最大2メートル以上、3日間浸水した。汚れたイチゴの苗を洗浄して栄養促進剤を投与したが、台風21号や低気圧による雨で再び水が入り、崩れた畝をまだ直せていない。故障した暖房機2台は、主産地の栃木県の被災支援に業者が集中し、修理や交換のめどは立っていない。

 「雨が続き、作業が進まない。高値になる12月の出荷は難しいだろう。年明けに実が付くよう祈りたい」と語る。

 市によると、農作物被害の内訳は大豆約6800万円、水稲約5400万円、イチゴ約4000万円など。農林業用施設は農道や水路など計470カ所で被害を確認し、さらに調査を継続している。