サバ不漁深刻 水温高く漁場形成遅れる/八戸港10月水揚げ

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昨年「八戸前沖さば」にブランド認定されたサバ。今年はまだ漁が上向く気配がない=2018年10月29日午前、八戸港第1魚市場

 八戸沖で例年10月以降に盛漁期を迎える巻き網船によるサバ漁が今年、不振を極めている。10月の水揚げ数量は29日現在81トンで、前年同月の3%にとどまる。漁業者らによると、水温が下がらず魚群の南下が遅れているためという。

 巻き網船のサバ漁は今期、7月末にスタート。例年、水温の低下とともに脂が乗り始める10月以降に水揚げが本格化する。近年は水温の上昇などを背景に漁期が遅れる傾向が続いている。国立研究開発法人水産研究・教育機構は今期、太平洋サバの三陸沖への来遊量は前年並みだが漁場形成は遅れる-との漁況予報を示している。

 昨年は10月に不漁だったが、11月中旬以降に水揚げ数量を伸ばし、年間数量は前年の9割程度となる3万7629トンまで巻き返した。今期は29日現在、約2064トン。

 八戸沖で操業する茨城県籍船の船頭は「年々漁期は遅れており、今年はまだ全く魚が見えない」と肩を落とす。市場関係者によると現在、八戸沖で県外船など10カ統がサバやイナダを、北海道東沖で24カ統がマイワシをそれぞれ操業している。道東沖での操業は10月で終わるため、11月以降は八戸沖でサバを操業する船が増えるが「魚がいなければ漁にならない」(市場関係者)という。

 現在漁獲されているサバは200グラム前後の小型が主体。加工業者によると、量が不足の上、締めさばなどに向く350グラム以上が少ないため、工場の稼働を停止している会社もあるという。

 同市は11月2、3日に全国のサバ料理などが一堂に会するイベント「鯖サミット」を控える。関係者はブランドサバ「八戸前沖さば」の知名度向上に期待している。だがブランド認定の開始時期を決める「八戸前沖さばブランド推進協議会」の担当者によると、今年は量が少なくサンプル調査が進んでいないため、同サミットまでの認定は難しいという。昨年は、認定を始めた2007年以降で最も遅い10月29日に認定開始となったが、今年はさらに遅れるもようだ。

 同サミット事務局の八食センター(同市)によると、市内からの出展は缶詰などの加工品を扱う業者が中心。サバ料理を提供する業者の一部は、やむを得ず昨秋に水揚げされた冷凍サバの使用などを検討しているという。