ビジターチーム6戦全勝はワールドシリーズ史上初の珍事

アストロズの本拠地ミニッツメイド・パークで行われたワールドシリーズ第6戦は、7対2でナショナルズが勝利。これで今年のワールドシリーズは第6戦まで全てビジターチームが勝利する結果となった。MLB公式サイトのマット・ケリーによると、これはワールドシリーズ史上初の珍事であり、MLBのみならず、NBAとNHLを含めても、4勝先取制のポストシーズンのシリーズでは史上初の出来事であるという。

ワールドシリーズ第6戦の試合後、ナショナルズのデーブ・マルティネス監督は「本当に気持ち悪いよね。説明のしようがないよ」と戸惑いを口にした。マルティネスが困惑するのも当然であり、ワールドシリーズでは昨年の第4戦からビジターチームが8連勝中。必死にレギュラーシーズンを戦って勝ち取った「ホームフィールド・アドバンテージ」が全く生かされていないのだ。

今年のポストシーズンでは、ビジターチームが19勝17敗と勝ち越している。アストロズのA.J.ヒンチ監督は「全てビジターチームが勝利して3勝3敗で第7戦に突入するなんて考えていた人はいないと思う。第7戦は同じような結果にならないようにしないとね」とホームチームの誇りをかけて、ジンクス打破を誓った。

明日の第7戦では、どちらが勝利してもメジャーリーグの新たな歴史が作られることになる。ナショナルズが勝利すれば、「ビジターで4勝」という史上初の快挙を達成。ワールドシリーズの全試合でビジターチームが勝利するのも史上初となる。一方、アストロズが勝利すれば、史上4チーム目となる「ホーム連敗スタートでのワールドシリーズ制覇」を達成。しかし、1985年のロイヤルズと1986年のメッツは2勝3敗からホームで連勝、1996年のヤンキースは連敗スタートからの4連勝で世界一を決めており、ホーム連敗のあとに王手をかけ、逆王手をかけられてからの世界一となれば史上初のケースとなる。

明日の第7戦はマックス・シャーザー(ナショナルズ)とザック・グレインキー(アストロズ)が先発予定。どんな試合になるか楽しみだ。

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