Monocle生活の質会議を成都で開催へ

Monocle生活の質会議を成都で開催へ

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【成都(中国)2019年10月29日新華社=共同通信JBN】欧州と北米のライフスタイルマガジン「Monocle」が主催のMonocle Quality of Life Conference(Monocle生活の質会議)が11月4日に成都で開催される。ファッション、建築、デザイン、リテールといった分野から150人以上の世界中のエリートが成都に集まって、「生活の質をより良く改善する方法」を討論する。

Monocle Quality of Life Conferenceは2007年に開始されてから、リスボン、ウィーン、ベルリン、チューリヒ、マドリードなど世界中の都市で開催されてきたが、Monocleにとってこの会議のような優れた会議をアジアの都市で主催するのは初めてである。

中国では、「アンイー(an yi)」という言葉はしばしば快適な生活環境や心の安らぎ、楽しさを表わすときに使われる。おいしい食事の後、人は「アンイー」と言うだろう。見事な景色に人は驚き、「アンイー」と叫ぶ。その大意が「安らぎと快適」である「アンイー」は、生活の満足感を表現するのに最も適切な言葉の1つと思われる。そのため、「安らぎと快適の首都」という新しい言葉で表現されるのは、都市にとって最高の評価であることは疑いのないことである。

中国西部の成都はそのような都市だ。四川省の省都で、2000万以上の人口を擁する超巨大都市である。世界最大数の飼育繁殖のジャイアントパンダの古里である成都は、外国人旅行者から「ジャイアントパンダの首都」と呼ばれている。しかし中国では、人々は通常、成都のことを「安らぎと快適の首都」と呼ぶ。

「アンイー」は成都の人々が最も頻繁に使う言葉の1つである。この都市では安らぎと快適は生活のカギであり、初めて成都を訪れた人はその生活の質によってたちまち成都と恋に落ちる。古くからの由緒ある歩道や高級ブランドは街角のあちこちにあり、道沿いのカフェは最新ファッションを身に付けた若者で賑わい、数多いレストランのどの店もお腹と嗜好を満足させる料理をすぐに提供し、道路両側に並ぶ樹木の影は空と太陽をほとんどさえぎり、公園の人々は茶をすすりながら雑談に興じる。こうしたにぎわいが通常、夕方まで続く。しかし暗くなってからは、火鍋として知られる成都の代表的な料理から発する香辛料の魅惑的な香りが夜の街中に漂って、食事をする人は大小、高級あるいは少し汚れた飲食店へと押し寄せる。夜間のランナーは成都のもう1つの風景で、曲がりくねりながら同市を走る緑道のおかげで、同市の住民はいつでもどこでもジョギングができる。

心地よい気候と絵のような風景がある成都では、さらに高い質の生活を送る方法は古代から常に最優先事項である。最適な地理的位置と豊富な生産物に支えられ、成都は長期にわたって商業活動と隆盛な貿易取引にあふれた中核都市である。そしてそのような豊かさは現地住民の快適さを重視するライフスタイルを加速した。ベニスの商人マルコ・ポーロは成都を「力強い都市」と呼び、フランスのトラベラーで写真家のジュール・ジェルベ・クルテルモン氏は成都を「東洋のパリ」と結びつけた。

現在、成都の快適な生活はMonocleの関心を引き付けている。なぜMonocleのアジアにおけるデビューが成都なのかについて、同誌のアジア太平洋地域担当者は、成都は中国西部の中核都市であり、歴史、人間性、自然、経済、高品質なライフスタイルが一体となった現代的な大都市であると説明した。そのため「われわれは世界に成都をもっと理解してもらい、同市の余裕があって快適な生活を分かってもらうべきと判断した」とした。同担当者は、成都は急速な成長と豊富なチャンスで有名な中国の都市であると指摘した。世界中の都市を調査、分析した結果、Monocleは25の側面におけるライフスタイルの基準で成都がどれほど高い水準にあるかに気がついた。「ここでは、人々は火鍋のスパイシーな香りやブーケの花の香りをかげるだけでなく、新鮮で魅力的な自然とチャンスが身近にあり、質の高い生活と環境も味わうことができる」。

サンフランシスコやロサンゼルスのような大都市は、心地よくてさらに快適で最先端の生活を創出するために企業家精神、新興科学、テクノロジーを用いている。こうした位置付けは若年層の性向と明らかに同期する。この2年間、1日平均で500人が成都に定住(戸籍制度での世帯登録)することを選択している。また、同市は2018年に、フォーブス誌のThe Most Attractive Cities for Job-seeking College Grads(仕事を求める大学卒業者にとって最も魅力的な都市)でトップの座を獲得した。

この点について、現代の若者は持続可能なライフスタイルと、仕事と生活の関係の健全なバランスを好むとMonocleは考えている。そのため、成都に移住することは多くの人の目から見て賢明な選択になっている。

現在の中国には670超の都市と2万1000以上の町があり、それぞれには固有の特徴がある。Monocle誌の編集者、アンドリュー・タック氏の言葉通り、「都市の開発には確実な定型などなく、これほど多くの異なる都市があることは幸運である」。タック氏はさらに「現在、私が最も楽しみにしているのは成都についてもっと学ぶことだ」と加えた。

ソース:Monocle magazine

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(写真説明:成都は「ジャイアントパンダの首都」と呼ばれている)
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(写真説明:安らぎと快適の首都)
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(写真説明:成都市の夜景)