三代目JSB・小林直己がNetflix映画「アースクエイクバード」でハリウッドデビュー。監督、主演女優もスター性を絶賛

10月29日、第32回東京国際映画祭で特別招待作品のNetflix映画「アースクエイクバード」(11月15日から全世界独占配信開始)が上映され、東京・六本木で行われた記者会見に、ウォッシュ・ウェストモアランド監督、主演のアリシア・ヴィキャンデル、共演のEXILE/三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの小林直己が登壇した。

本作は、日本在住経験のあるイギリス人作家、スザンヌ・ジョーンズによる同名ミステリー小説の映画化。1989年を舞台にしており、東京と新潟・佐渡で撮影された美しい映像も見どころだ。日本に住む外国人女性・リリーが殺害され、その友人であるルーシーに容疑がかけられるが、この2人の女性の間にはカメラマンの青年・禎司の存在があった…。

ルーシーを演じたのは「リリーのすべて」(16年)でアカデミー賞助演女優賞を受賞したヴィキャンデル。劇中、日本語のセリフも多かった彼女は、この日も「皆さん、今日は本当にありがとうございます。日本に戻って来られてうれしいです」と日本語であいさつ。「こうやって短い日本語を話しただけでもすごく緊張しているので、撮影がどれだけ大変だったか想像がつくと思いますが、実際の現場はとても安心できる雰囲気でした。日本語を覚えるということは日本の文化を知るということ。日本に住んで撮影できたことはいい経験になりました。友達もできたし、おそばも食べに行きました。今、おそばにハマっています(笑)」と撮影を振り返った。

また、スウェーデン出身のヴィキャンデルは、母国と日本を比較。「日本はスウェーデンとは全く違うと思っていたけど、美意識が近いと感じました。それから、家の中では靴を脱ぐところ、生の魚を食べるところ、そして行列に並ぶのが好きなところもそっくりね(笑)」と意外な共通点に触れて、笑いを誘っていた。

ルーシーとリリーを翻ろうするミステリアスな禎司を演じた小林にとっては、本作がハリウッドデビュー。製作総指揮を務めたリドリー・スコットから「君には映画に必要な存在感がある」と言われたことを明かしつつ、「英語のセリフに備えてトレーニングをしましたが、禎司の考え方には共感できる部分があったので、そこから役を作っていきました。カメラマンである禎司にとってのカメラは、僕にとってのダンスと同じで、心の内を表現するのに一番フィットするもの。なので、撮影が始まる5カ月くらい前に映画と同じ80年代のオリンパスのカメラを買って写真を撮ったり、自分で現像してみました」と役作りについて語った。劇中では、舞台が89年ということもあって、昔懐かしいディスコダンスを踊るシーンも。「ダンスのシーンは僕も大好きです。ファンの皆さんも喜んでくれると思います」と顔をほころばせていた。

これまで「アリスのままで」(14年)のジュリアン・ムーア、「コレット」(18年)のキーラ・ナイトレイと、ハリウッドのトップ女優の出演作を監督してきたウェストモアランドは「ルーシー役にはすぐにアリシアが思い浮かびました。絶対に期待に応えてくれると思ったんです。彼女とはとにかく話し合いを重ねて、ルーシーというキャラクターの複雑な部分を作り上げていきました。今回、アリシアは日本語を習得しただけじゃなく、チェロも自分で演奏しています。演技に懸ける彼女の姿勢には、私も多くを学ばせてもらいました」と称賛。

禎司役の小林もイメージにぴったりだったようで「何人もの俳優さんをオーディションしましたが、直己を見て『彼だ!』と思いました。彼には激しい部分や暗い部分、複雑な部分がある。台本を読み合わせしてみて“スターパワー”を感じましたね」と、これまた絶賛した。そんな監督の言葉を受け「光栄です」と照れる小林だが、ヴィキャンデルも「直己は役を深く掘り下げているし、瞳の奥にストーリーがある。目でストーリーを語れるのは、俳優にとってとても大切なことです」と小林の俳優としての資質を褒め称えていた。

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