首脳陣が総退陣のパイレーツ マーテイ放出の可能性も

後半戦で25勝48敗に終わったパイレーツは、クリント・ハードル監督、フランク・クーネリー社長、ニール・ハンティントンGMを次々に解任し、新たな時代に突入することを決断した。チームの現状を考えると、少なくとも数年間は優勝争いに加われない可能性が高く、今オフは走攻守三拍子揃った外野手のスターリング・マーテイが移籍市場の注目株となるかもしれない。

今季、ナ・リーグ中部地区の最下位に沈んだパイレーツは、エース右腕のジェイムソン・タイオンが8月にトミー・ジョン手術を受けており、来季の全休がほぼ確定。主力選手の1人であるマーテイは、チームとの契約が最大でも2021年までとなっており、チームが再び優勝争いに加わる頃には契約が切れていることから、放出の可能性が取り沙汰されている。

マーテイとパイレーツの契約は残り最大2年。来季は年俸1150万ドルの球団オプション、2021年は年俸1250万ドルの球団オプションとなっており、手頃な価格であることを考えると、オプション行使は確実である。パイレーツはマーテイのオプションを行使したうえで、トレードでの放出を模索することになるだろう。

今季のマーテイは、23本塁打、82打点、OPS.845などの部門で自己最高の数字をマーク。フリーエージェント市場に有力な中堅手がいないことを考えると、もしパイレーツがマーテイを売りに出すのであれば、かなりの人気銘柄となることが予想される。MLB公式サイトのマット・ケリーは、マーテイ獲得に動く可能性があるチームとして、メッツ、レッズ、カブス、ブルージェイズ、フィリーズ、レンジャーズ、ブレーブスの7球団を挙げている。

パイレーツとしては、残り最大2年マーテイを保有できるため、今オフに慌てて放出する必要はない。しかし、今季の好成績により、マーテイの価値が高まっていることも事実である。首脳陣を総退陣させたパイレーツは、マーテイについてどのような決断を下すのか。今後の動向に注目が集まりそうだ。

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