『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』 アンディ・ムスキエティ 監督 バルバラ・ムスキエティ プロデューサー来日インタビュー

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世界的大ヒットを記録した『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(17年)の続編『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』が11月1日に公開される。
前作に続きメガホンをとったアンディ・ムスキエティ監督とプロデューサーのバルバラ・ムスキエティの来日インタビューをお届けする。

作家スティーヴン・キングの傑作ホラー小説を実写化した『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』。前作から27年後を舞台に、子供の命ばかりを狙うペニーワイズから逃げ延びた面々が新たな戦いを余儀なくされる。
監督は『MAMA』が話題となったアンディ・ムスキエティが前作から続投するほか、ペニーワイズを『シンプル・シモン』(10年)で主人公を演じたビル・スカルスガルドが前作から続投し、27年後のビルを『スプリット』などのジェームズ・マカヴォイ、ベバリーを『ゼロ・ダーク・サーティ』などのジェシカ・チャステインが演じている。
今作のプロモーションで来日したアンディ・ムスキエティ監督とプロデューサーのバルバラ・ムスキエティが、前作と今作の撮影の裏側について語ってくれた。

アンディ

「大人のキャストを演じたジェームズやジェシカ達には“自身が演じる役の子供時代を演じた役者の演技をよく見て研究してください”とお願いしました」

──映画化するにあたり、原作者のスティーヴン・キングさんと話し合いながら脚本を書いていかれたのでしょうか?

アンディ「いえ、スティーヴンに助言を求めることはありませんでした。原作をそのまま映像化するわけにはいかないので、映画化するために必要な部分を脚色したり変更したりして脚本家と一緒に完成させていきました」
バルバラ「小説を映画化する際にどうしても変更点が出てしまうことはスティーヴンも十分理解してくださっていたと思います。それにアンディはきちんと小説にリスペクトを持って尊重しながら映画を作っていったので、それはご覧頂ければ皆さんにも伝わるのではないかと思います」

アンディ「当然ながら原作のスピリットを尊重しながら作ったつもりですが、やはり小説と映画では表現の仕方が違うので、変更点はどうしても出てきてしまうんですよね」
バルバラ「変更した部分は色々ありますが、大きなところでいうと原作のラストは田舎町のデリーが崩壊してしまいますが、私達は今回の映画にそのシーンは必要ないと思ったので変えました」

──子供時代のリッチー役を演じたフィン・ウォルフハードさんが“アンディ監督からは「君たちが普段使わないような言葉を台詞で言わないで」というリクエストがあった”とコメントしていたのですが、大人になったルーザーズ・クラブのメンバーを演じたキャストの皆さんにはどんな演出をされたのでしょうか?

アンディ「先ほどのフィンのコメントに関して説明させて頂きたいのですが、彼らに台詞を変えてもらったというよりは、80年代風の言い回しにして欲しいとリクエストしたんです。前作は80年代の終わりの話なので、現代の言葉とさほど違っているわけではありませんよね。それから質問の答えですが、大人のキャストを演じたジェームズやジェシカ達には“自身が演じる役の子供時代を演じた役者の演技をよく見て研究してください”とお願いしました。リクエストしたのはそれぐらいです。“子供達の演技からそのキャラクターの身のこなしやボディランゲージを取り入れ、それをご自身の演技に反映してください”と。その加減は役者の皆さんにお任せしました」

──例えばどのような特徴を取り入れていましたか?

アンディ「若きエディを演じたジャック・ディラン・グレイザーが前作でこんな仕草(片手だけでごめんと謝るような動き)をしていたので、大人のエディを演じたジェームズ・ランソンにもそれをやってくださいとお願いしたんです。とても特徴的な動きなので、これは是非やってもらわないとと思って(笑)。それから若きベバリーを演じたソフィア・リリスはぎこちなくて不器用なところがあるのですが、前作で両手をギュッと合わせて握ってもじもじする仕草をしていたのでそれをジェシカにもやってほしいとリクエストしました。是非そこはチェックして頂きたいです(笑)」
バルバラ「今の話を聞いていて思いだしたのだけど、子供時代のルーザーズ・クラブのメンバーを演じた彼らのほとんどは前作が初めての映画撮影で、日本ではR15+でしたがアメリカではR17+だったので撮影が始まった時に“もっと汚い言葉を使った台詞を言ってもいいのよ”と言っていたんです(笑)。最初はみんな恥ずかしそうに汚い言葉を使って演技していたのですが、だんだん楽しくなってきたのかエスカレートするようになって、結局“もうそんなに汚い言葉は使わなくていいわよ!”と注意していました(笑)」

アンディ「そうそう! Fワードを言わないと台詞がうまくしゃべれなくなるぐらいになっていたよね(笑)。特にジャック・ディラン・グレイザーなんかはとても早口な子なんだけど、5秒の間にいくつもの悪い言葉を言っていましたよ(笑)」
バルバラ「それはアンディが“いじめっこに対しての怒りを言葉で表現して欲しい”とジャックにリクエストしたからじゃない?(笑)」

アンディ「“XXX(某スラング用語)”とかね(笑)」
バルバラ「その言葉を使った瞬間に遠くのほうで撮影を見ていたジャックのお母さんが走って来て、ジャックの肩を掴んで“そんな言葉使っちゃダメよ!!”と激怒してました(笑)」

Photo by Tsukasa Kubota

──そんなことがあったのですね(笑)。ところでアンディ監督は“恐怖”を表現するにあたり、どういうところからインスピレーションを得て、どのようにそれを映像化させていたのでしょうか?

アンディ「“恐怖”に対するビジョンは自分の中にしっかりとあるので、それを具現化するようにしていました。IT(ペニーワイズ)は色んな恐怖に姿を変えることができますよね。それをふまえて映像化していったのですが、例えばスタンリーはフルートを吹く女性の絵を怖がりますよね。それは実は私がアメデオ・モディリアーニのポートレートに対して抱く恐怖心を反映しているのですが(笑)、絵を少し斜めに飾ることでスタンリーの強迫性障害を表現するようにしたんです。彼がズレた絵を元に戻さなきゃと思うシーンですね」
バルバラ「アンディは子供の頃に感じた恐怖を映像化させるのが得意というか、大人になった今でも当時の記憶を鮮明に思い出すことができるのよね?(笑)」

アンディ「そうなんだよね(笑)。不思議と幼い頃に感じた恐怖をよく覚えているんです。それはきっと当時からホラー映画を良く観ていたからかもしれません。おかげで恐怖に対する想像力は養えたと思いますけどね。そのせいかな、僕は常に最悪のパターンを考えながら生きているような気がする(笑)」

──(笑)。では最後にアンディ監督が子供の頃に観てトラウマになった映画を教えて頂けますか。

アンディ「7歳ぐらいの時に観た『THE MANSTER(邦題:双頭の殺人鬼)』(59年)と『The Omega Man(邦題:地球最後の男オメガマン)』(71年)は凄く怖かったので、トラウマになった映画と言えます」

Photo by Tsukasa Kubota

(インタビュアー・文/奥村百恵)

<STORY> 
舞台は前作から27年後。次々と子供たちが消える“連続児童失踪事件”が再び発生し、「COME HOME COME HOME(帰っておいで…)」という不穏なメッセージが、かつて“それ”と対峙した27年後の子供たちに届く。「再び“それ”が現れたら僕たちも戻る」と誓った27年前の<約束>を守るため、忌まわしき町デリーに帰ってくるビル(ジェームズ・マカヴォイ)をはじめとしたルーザーズ・クラブの仲間たち。なぜ再び“それ”は現れたのか? 27年前の連続児童失踪事件の真相とは? そして“それ”の正体、目的とは? 町全体を恐怖のどん底に陥れ次々と襲い来る“それ”から、彼らは生き延びることができるのか!?

『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
11月1日(金)より全国ロードショー
監督:アンディ・ムスキエティ
出演:ビル・スカルスガルド
   ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャスティン
   ビル・ヘイダー、イザイア・ムスタファ、ジェイ・ライア
   ジェームズ・ランソン、アンディ・ビーン ほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
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※R15+

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