【台風19号】国道、復旧代行に期待 五輪・生活の要

山側(左手)から大量の水や土砂が流れ込んだ湯口沢橋手前付近(国土交通省提供)

 台風19号で大規模な土砂崩れが起きた相模原市緑区の国道413号の復旧を国が代行することが決まり、地元から期待の声が上がっている。国土交通省は「まずは1車線でも通行を確保する」ことを目指し、速やかに調査・設計に着手する予定。市北部を東西につなぎ、東京五輪の自転車ロードレース競技のコースにもなっている大動脈の早期再開が待ち望まれている。

 市道路計画課によると、大きく損傷したのは西側の湯口沢橋(同市緑区青根)手前と東側の境沢橋(同区青野原)手前の2カ所。いずれも急斜面の山側から流れてきた雨水や土砂によって道路の基礎や擁壁が大きく削られ、谷側に崩落している。西側は約26メートル、東側は約25メートルにわたり道路の一部が消失している。

 通行止め区間は、2カ所の大規模崩落地点を含む同区の青根~青野原間。青根地区、山梨県道志村方面を行き来するには、国道20号を使って同県都留方面に大きく迂回(うかい)する必要が生じている。

 青根地区で商店を営む男性は「迂回路を通るのは大変。台風で被害を受けた地域の生活再建には道路の復旧が欠かせない」と強調。同地区のキャンプ場で働く男性は「台風19号で被害を受けたキャンプ場の再開に向けて努力している。多くのお客さんに来てもらうためにも、まずは道路復旧が必要だ」と話し、国の復旧代行による早期再開に期待を寄せた。

 国による代行は大規模災害復興法に基づく措置で、国交省が29日に決めた。国道413号を含む5県6カ所の自治体管理道路は被害規模が大きく高度な技術が求められるため、国主導による取り組みが不可欠と判断した。413号の早期復旧は、本村賢太郎相模原市長が政府に要望していた。

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