上映求める声相次ぐ 慰安婦映画中止問題で集会

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映画「主戦場」の上映中止問題を話し合った集会=川崎市麻生区の市アートセンター

 川崎市麻生区で開催中の「KAWASAKIしんゆり映画祭」で慰安婦問題を扱ったドキュメンタリー映画「主戦場」の上映が中止になった問題で、主催者のNPO法人「KAWASAKIアーツ」は30日、表現の自由を考える集いを同区内で開いた。映画祭スタッフを含む参加者から主戦場の上映を求める声が相次ぎ、配給会社「東風」の木下繁貴代表が「悔しい。上映をお願いしたい」と涙ながらに訴えた。

 配給会社の代表らの呼び掛けを受けて急きょ企画された。上映が決まりながら中止に至った経緯をスタッフが説明。慰安婦問題を否定する一部出演者が主戦場の上映差し止めを求める訴訟を起こしたことを巡り、「市から『共催事業内で上映を行うことは厳しい』と言われた」と明かした。

 映画祭の中山周治代表は「これまで口出ししなかった市の『難しい』という言葉を重く受け止めた」。あいちトリエンナーレで慰安婦をモデルにした「平和の少女像」の展示が脅迫が相次ぐなどして中止に追い込まれたことを受け「嫌がらせや脅迫など見えない恐怖におびえた」とも語った。

 ミキ・デザキ監督も参加し、「嫌がらせに降参した形になった。たった一つの小さな闘いかもしれないが、負けていては言論の自由がなくなる」と強調。これに対し、中山代表は「作品を巡る状況が変わらないと上映は難しい。上映しろという圧力に屈するわけにいかない」と発言。会場からは「代表に作品や作り手へのリスペクトが感じられない」「補助金を出す側として『懸念』という形で圧力をかけてきた川崎市が一番の問題だ」といった声が上がり、中山代表は「セキュリティーの問題をクリアし、万全な態勢で上映できるときに上映する方向で検討したい」と返答した。