【おすすめ書籍】今更「なぜ読書が大切なのか」を考えてみた。

Nativ.mediaの記事でよく読まれているものに、「おすすめ書籍」というタイトルがはいった「書評」があります。

ありがたいことに、PVやコメントなどからもご好評いただいているようですので、この度、「おすすめ書籍」をメディアのメニューにいたしました。その記念といっては大げさですが、この機会に多くの人に語られつくされているこの究極のテーマ「なぜ読書が大切なのか?」について、自分なりに少しだけ触れておきたいなと思いました。

読書は究極の「バーチャル思考マラソン」だ。

読書は、言ってみれば「頭脳のマラソン」だと思います。しかも他人の思考を強制的にたどらされる、かなりストイックでマゾヒスティックな体験です。脳みそは本来、かなり自由なはずので、それを矯正されるのはしんどいはず。そこをあえてをするのが「読書」だと自分は思っています。

楽しい物語に没頭するなら楽です。月に行って、初めて無重力を味わう事ができたら疲れも感じてかなりの時間没頭できるはずです。自分好みの小説にハマるのはそのためです。

でも、ビジネス書やエッセイなどの場合は、そこまで感覚的に楽しいものばかりではないでしょう。ですので必然的に「苦痛」が伴います。一時的にしても、他人の思考をたどることを強いられるわけですから。

しかし、そこが読書の価値そのものだと思います。全く自分とは違う思考をたどることで、自分とは違うそのパターンや、可能性を、おもいしらされます。自分が走ったことのないコース、風景、しんどさ・・・それらが自分の脳の「足腰」を鍛えてくれます。「なるほどそういうコースがあるのか。」「そういう走り方があるのか」そう気づかせてくれます。故に、起業家や経営者や発信者が読書を好むのは、ある意味当然かも知れません。常に「他に可能性はないのか?」と問い続けていますから。

ネットでの情報収集とはどう違うか?

一方で、同じ文字での情報収集として、ネットはどうでしょう? SNSからの情報、検索でたどりつく記事やコメント。時間的にはそうした情報のほうが、読書より触れる時間が長いという人も少なくないはずです。

これらは例えて言うなら、「思考のサプリ」ではないかと思います。日常生活で摂取しにくい“栄養素”を、手軽に便利に摂ることができます。それによって、考えるきっかけやアイデアの素を手に入れることができます。

ただ、世の中にあふれる本当の「サプリ」と同じく、「本当に利いているかどうか」は実証は難しいです。しかもあまりに頼りすぎると、お金や時間を浪費しがちになるのも同じかなと思います。適度に上手に利用する必要があります。

以上の考え方からスルと、読書とネットは比較ができないものです。
「マラソンとサプリは、どっちが健康にいいのか?」と問うのと同じですから。

では、なぜ「読書」が大切なのか?

「読書は必須で絶対にしなければならないか?」と言われると、そこまでいい切るのは難しいです。しかし、人は言葉でしか考えられないし、考えることで、より良い人生を送る方法を探るしか無いと考えると、読書の重要性は相当大きいといってもいいと思います。

なぜなら、過去の人や、出会う機会の人の考え方にまで触れ、その「マラソンコース」に選ぶことができる、唯一の方法だからです。

自分一人の考えは所詮限定的なものでしかありません。それを広げる方法は、誰かと語るか、読書するかの2つしかありません。

尊敬してやまない、ライフネット生命の創業者で現・立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんが、『人生を豊かにしてくれる3本柱は「人・本・旅」だ』と言い切られているのは、実に深いお話だと思います。

自分は悩むと読書量が増える傾向にあります。やや「現実逃避」的側面がなくはないのですが(笑)、自分だけの考えでは限界があると痛感しているからでもあります。

この変化の激しい時代、読書の価値は、さらに増してきているとも思います。地方創生や関係人口、多拠点居住に副業、そしてライフ・シフト。人生の価値観が大きく変わる時代です。簡単ではないし、悩むことも多いですが、でもそれだけ新しい可能性があることは確かです。その可能性をさらに広げるための「マラソンコース」をたどる時間は、生活の中に大いに取り入れていくほうが絶対にいいよな…と私は思うのです。

蛇足:リアル本 V.S 電子書籍 どっちがいいのか?

この問に関しては、かなり個人的な好みによるような気がします。ちなみに、自分は未だに「リアル本」派です。その理由は、まだやはり頭に入ってくる度合いが違う気がするからです。最新の電子書籍端末はもしかしたらかなり良くなっているのかもしれませんが、正直、試しきれていません。ガジェットの進化の時間の問題のような気もします。

あと、このコーナーの写真を撮る必要があるという特殊な理由もあります。(笑)

文:ネイティブ倉重

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