トレーラーヘッドバトルは達成感もひとしお。10月31日発売『FIA ヨーロピアン・トラックレーシングチャンピオンシップ』試遊レポート

 10月31日に発売されるプレイステーション4/Nintendo Switch用ソフト『FIA ヨーロピアン・トラックレーシングチャンピオンシップ』は、ヨーロッパで根強い人気を誇るトラックヘッドによるレースを忠実に再現した公式ゲームだ。日本ではあまり馴染みのないシリーズだが、ゲームではシリーズの魅力が凝縮されており、一度プレイすれば実際のレースをチェックしたくなること間違いなしだ。

 ETRCヨーロピアン・トラックレーシング・チャンピオンシップは30年以上の歴史を誇るシリーズで、2006年からFIA格式のチャンピオンシップになっている。

 その名のとおり、レースの主役はふだんコンテナなどを運んでいるようなトラックヘッド/トレーラーヘッドたち。重量5500キロ、リヤドライブのトラックには13リッター・ツインターボエンジンが搭載されており、そうしたモンスターマシンがミサノやニュルブルクリンク、ル・マン(ブガッティ・サーキット)でバトルを繰り広げる。

 ふだん目にするようなレーシングカーと比べると“超巨大”とも言えるトラックヘッドがコース幅いっぱいにバトルを繰り広げる姿は圧巻の一言で、2018年シーズンには合計で41万5000人のファンがサーキットに来場。またインターネットでのライブストリーミングは70万人以上が視聴したほか、TV放送などは198の国と地域でのべ1億1000万人の視聴者を獲得している。

 そんなETRCの公式ゲームとして登場したのが、10月31日に発売される『FIA ヨーロピアン・トラックレーシングチャンピオンシップ』だ。今回、短い時間ではあるが、ゲームをプレイする機会を得たので、試遊インプレッションをお届けしよう。

 ゲームを起動すると、まずはライセンスを取得するよう促される。このライセンス講習は加速と停止やスラローム、コーナーの走り方などをひととおり学べるもので、ほかのレースゲームでもおなじみのモードと言える。

 しかし、本作はレーシングカーとはいえ重く巨大なトラックヘッドを操るもの。ブレーキング時の制動距離やコーナリング時の挙動など、ドライブフィールが独特で、プレイフィールもシミュレーターに近いことから、最初にレクチャーを受けられるのはありがたいところだ。また、“水を噴射してブレーキを冷やす”といったETRC独特の操作も習得できる。

 これは実際のETRCでも行われている動作で、ブレーキを作動領域温度に保つべく、ドライバーは任意のタイミングで水を吹きかけて、ブレーキを冷却する必要がある。プラクティスや予選、決勝レースでは、各マシンに搭載されている100リッターの水をマネジメントしながら、ブレーキ温度のコントロールが求められるのだ。

 こういったシリーズ独自の操作習得も含め、講習は全部で15個ほどあるが、難易度はそこまで高くない。ふだんからレースゲームをプレイしている方なら30分から1時間程度でひととおりクリアすることができるだろう。

 この講習を完了してライセンスを取得すると、晴れてレースに参戦することができる。ゲーム内ではメインモードと言える“キャリアモード”へ誘導されるので、そのままETRCドライバーとしてのキャリアをスタートさせよう。

 このキャリアモードでは、レースごとにチームと契約を交わすスポット参戦ドライバーとしてキャリアをスタートさせ、レースでの成績を重ね、チームからの評価が上がっていくとレギュラードライバーへの昇格や、より強力なチームからのオファーが受けられるようになる。

 そして、いざレースウイークへ突入するとETRCならではの世界に引き込まれる。ETRCは週末4レース制を採用しており、ゲーム内でも1イベントで計4レースを戦う。予選も1イベントで2回、予選で上位に残るとポールポジションを決めるスーパーボールに駒を進めることになる。

 実際にレースを戦うと、まず驚かされるのがコース幅の狭さ。ゲーム内にはゾルダー・サーキットやブガッティ・サーキットなど、実際にETRCのシリーズ戦が開催されるレーシングコースが忠実に再現されている。ル・マン24時間の舞台でもあるブガッティ・サーキットは多くのレースゲームに収録されており、プレイしたことのある人も多いだろう。その際、コース幅の狭さを感じたことはほとんどないはずだ。

 しかし、トレーラーヘッドをベースとするレーシングカーにとっては、こういったサーキットでも手狭に感じられる。ブガッティ・サーキットの一部区間ではスリーワイドはおろか、サイド・バイ・サイドでのバトルすら躊躇したくなるほど狭く感じる。そんななかで抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げていく必要があるのだ。

 レース中も他車と接触したり、何度もコースをショートカットするとペナルティが与えられるので、クリーンな走りが求められる。このあたりも現実のレースを戦っているような感覚を味わうことができる。

 また、サウンドも印象的な要素だ。ドライブ中は一切BGMがかからず、13リッター・ツインターボエンジンのエキゾーストサウンドやタイヤのスキール音だけが響き渡る。さらにレース中はピットから「次のコーナーではインを締めるように」や「次がファイナルラップ」、「ブレーキの温度に気をつけて」といった無線が飛び込んでくることもあり、こういった演出がレーサーとしての体感を深めてくれる。

 プレイフィールについては、シミュレーター寄り。無理な加減速やステアリング操作はすぐスピンにつながるほか、初心者向けのアシスト機能はトランスミッションのオートマチックモード、レーシングラインを表示する機能程度しかなく、近年流行りの時間を巻き戻す“リワインド”機能のようなものはない。

 ETRCは、週末4レース制でキャリアモードで1レースを戦うとじっくり腰を据えてプレイすることになること、そのプレイフィールなどから全体的に硬派な作りを感じる。

 レース中もマシンの全幅やコース幅を考慮したオーバーテイクやブレーキ温度管理など独特なドライビングが求められるが、その感覚を掴んでオーバーテイクを決め、トップチェッカーを受けたときの達成感はひとしおだ。

 日本ではあまり馴染みのないETRCが題材となっている本作だが、レース好きならその奥深さに取り込まれること間違いなし。ふだんからさまざまなレースゲームをプレイしている方にも触ってほしいタイトルだ。

 プレイステーション4/Nintendo Switch向けソフト『FIA ヨーロピアン・トラックレーシングチャンピオンシップ』は10月31日発売。製品情報は公式サイトでチェックできるので、ぜひ目を通してみよう。

【パッケージ版】PS4/Switch
PS4版
Switch版

【ダウンロード版】PS4/Switch

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FIA EUROPEAN TRUCK RACING CHAMPIONSHIP ©2019 Developed by N-Racing. All rights reserved. An official product of the FIA European Truck Racing Championship, under the license of ETRA Promotion GmbH and the Fédération Internationale de l’Automobile. The manufacturers, trucks, names, brands and associated imagery featured in this game are trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. “ETRC” and the ETRC/FIA logo are registered trademarks of the Fédération Internationale de l’Automobile. All rights reserved. The trucks in the game may differ from the shape, colour and performance of the actual trucks. Published and distributed by 3goo K.K.
このゲーム内で再現される運転や車両の走行は、実際のトラックの運転において絶対に真似をしないでください。運転時は必ずシートベルトを着用し、安全運転を心がけてください。

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