WEC上海:4台にLMP1サクセス・ハンディキャップ調整。トヨタの2台は同一条件に

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 11月8~10日に、中国の上海国際サーキットで開催されるWEC世界耐久選手権“シーズン8”第4戦上海4時間レースで採用されるサクセス・ハンディキャップの内容が明らかになった。

 WECのサクセス・ハンディキャップは、LMP1クラス唯一の自動車メーカーワークスチームであるTOYOTA GAZOO Racingと、プライベーターのレベリオン・レーシング、チームLNTの計3チームが走らせる各車両のパフォーマンスを接近させ、レースでの競争を生み出すために2019/20年シーズンより導入されたシステムだ。

 2014年からLMP1クラスで採用されている車両間の技術的均衡を図るEoT(イクイバレンス・オブ・テクノロジー)にプラスされるかたちで導入されているこのシステムは、各号車の獲得ポイント数の差に応じてランキング最下位のクルマを除く全車にハンデを負わせるもの。

 ハンデ量は1kmあたり0.012秒の係数をサーキット全長と獲得ポイント差に掛け合わせることで決定され、車両最低重量、燃料流量、搭載燃料量、給油リストリクター径の各パラメーターで実際の調整を行う。なお、ハイブリッド車ではこの他にもラップあたりの最大使用エネルギー量とハイブリッドエネルギーの最大使用量も調整項目に加わる。

■トヨタは最大2.74秒、前戦3位のレベリオンも0.89秒分のハンデを負う

 上海ラウンドを前に更新されたハンディキャップのインフォメーションによれば、トヨタの7号車と8号車、2台のトヨタTS050ハイブリッドはともに最大2.74秒遅くなるとされている。これはLMP1クラスランキング最下位となっているチームLNTの6号車ジネッタG60-LT-P1・AERを基準に計算されたものだ。

 前戦富士では、開幕戦シルバーストンでポール・トゥ・ウインを飾った7号車トヨタに対して僚友8号車トヨタが、1周あたり0.4秒のアドバンテージを有したことでレースを有利に進めた。しかし、その富士で8号車がポールポジションと優勝を果たしたことで両者のポイントが再び並び、今戦では2台が同じ条件で争うことになる。

 そんなトヨタTS050ハイブリッド勢は今回、1スティントで使用できる燃料量の削減や燃料リストリクターのサイズダウンなどの調整が行われる。

 2番目に大きなハンデを背負うのはWEC富士で3位表彰台を得たレベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13・ギブソン。6号車ジネッタと16ポイント差のランキング3位となった同車は、1周あたり0.89秒分のスピードを削がれることとなり、その調整には重量加算が用いられた。

 これにより1号車レベリオンのミニマムウエイトは従来比37kg増の862kgに。6kgの加算で861kgとなった5号車ジネッタとほぼ同じ最低重量で上海戦に挑むことになる。

■GTE両クラスのアストンマーティンに性能調整追加

 GTE Amクラスは今季から前戦の成績上位車3台とランキング上位3台にウエイトを追加する“サクセスバラスト”と呼ばれるシステムが導入されている。第4戦上海でこの影響をもっとも受けるのは、AFコルセのフランソワ・ペロード、エマニュエル・コラール、ニクラス・ニールセン組83号車フェラーリ488 GTE Evoだ。

 シルバーストン、富士で連続表彰台を獲得した同車のウエイトは今戦、1310kgに達し、GTE Amクラスで唯一1300kgを超えるクルマとなる。

 これに続くのが石川資章、ケイ・コッツォリーノ、オリビエ・ベレッタという布陣でWEC参戦2年目のシーズンを迎えているMRレーシングの70号車フェラーリ488 GTE Evoでミニマムウエイトは1280kg。3番目に重いマシンは前戦富士でチーム初勝利を挙げた
TFスポーツの90号車アストンマーティン・バンテージAMR。重量は1272kgだ。

 なお、このTFスポーツのクルマを含め、GTE ProとGTE Amのアストンマーティン・バンテージAMR勢は、今戦に合わせて燃料タンク容量を1リットル削減する調整が行われている。