被爆資料 実物渡して 被爆者・竹下さん 高見大司教に要望

高見大司教(右)に被爆瓦を見せる竹下さん=長崎市、カトリック長崎大司教館

 長崎市滑石6丁目の被爆者、竹下芙美さん(78)が30日、同市橋口町のカトリック長崎大司教館に高見三明大司教を訪ね、自身が保管している被爆瓦などの被爆資料を、11月24日に長崎を訪問するローマ法王フランシスコに渡してほしいと要望した。
 竹下さんは「法王に実物を見てもらい、反戦反核の思いを強く世界に発信してほしい」と話した。高見大司教は「法王は長崎原爆資料館に行く時間がない。(被爆資料は)法王が長崎にいる時に見せたい」と協力する考えを示した。
 被爆資料は1996年、爆心地公園の工事の際に出土した民家の瓦とガラス瓶。熱線の影響で表面が泡立ったり、変形したりしている。市が収集しなかったため、竹下さんが現場で拾って保管していた。
 法王は長崎の爆心地公園で核兵器廃絶に向けたメッセージを発信する意向。県営ビッグNスタジアムで執り行うミサでは、浦上天主堂で保管されている「被爆マリア像」と「被爆十字架」が祭壇に安置される予定。

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