捨てていた有効成分を活用 京都・福寿園の「食べるお茶」

 普段、お茶を飲んだ後、茶殻は当然のごとく捨ててしまう。だが、茶殻など茶葉の水に溶けない部分にはビタミンA、ビタミンEや食物繊維など体に有益な成分が多く残っている。このことに注目した茶葉全体を食べる商品「食べるお茶」が「こんなのあるんだ!大賞2019」東海・近畿ブロックの代表に選ばれた。

「食べるお茶」

 開発したのは1790年(寛政2年)創業の老舗、福寿園(京都市下京区)。200年以上、宇治茶一筋に取り組んできた。商品は「お茶の佃煮」「食べる緑茶」「食べる碾茶(てんちゃ)」の3点。碾茶とは、抹茶の材料となる高級茶葉だ。

 まず、佃煮をいただいてみる。お供はもちろん白いご飯。箸でご飯を一口と佃煮を少々つまむ。まずのりの香りが鼻を打つ。続いてお茶の香り。お茶の余韻がいつまでも続くのが印象的だ。豆腐やクリームチーズとの相性もいいという。

 次にお茶。再びご飯。ふりかけとして使ってみる。茶葉が実に細かくカットされていて、熱いご飯とお茶の豊かな香りが絡みつく。卵料理やヨーグルトに混ぜるのもお薦めという。

 最後に碾茶。薄くてパリパリ。キュウリに振りかけて食べると、野菜の自然の青らしさが引き立ってくる。サラダやスープに青のりやパセリの代わりに使えそうだ。

 「お茶は飲むものと思われているけれども、ミャンマーとか、食べる文化があるんです」と福寿園京都本店の伊藤明子チーフ。「日本でも茶がゆがあるでしょう」

 ネット通販で売り出したのは最近だが、商品化はずっと前。緑茶は25年前、佃煮は12年前、碾茶は11年前だ。店頭でお客さんから食べ方を教えてもらうことも結構あるという。「佃煮をパスタソースにするとおいしいし、イカスミみたいになるんですって」

 緑茶も碾茶も普通のお茶のように飲むこともできる。「緑茶はさっと出して、碾茶は氷出しすると、おいしいですよ」

 (共同通信 中村彰)

 「こんなのあるんだ!大賞2019」全国大会は11月19日正午から東京・汐留の電通ホールで。

商品情報はこちら。 https://www.47club.jp/27M-000047mon/goods/detail/10129029/

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