【”開国”の風景】専門学校に国際科 「働きたい」留学生で熱気

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教材車のエンジンルームを点検する九州工科自動車専門学校の留学生たち=9月12日、熊本市中央区の同校

 熊本県内でも増え続ける外国人の働き手。対象業種や期間を拡大する「改正入管難民法」が4月に施行され、今後も増加する見通しだ。

 「ネジはまず軽く締めて。そこ、日本語以外はダメだよ」。熱気のこもる倉庫内で、留学生が工具を器用に扱って、教材車のブレーキパッドを交換する。

 ネパール出身の留学生マハト・オム・プラカスさん(21)は、教員の指示を受けながら黙々と作業を続ける。「日本語で専門用語を覚えるのは大変。でも将来、母国に帰って自分の整備工場を建てるために頑張らないと」

 熊本市中央区の九州工科自動車専門学校は、自動車整備士を目指す外国人のため2016年に3年課程の国際自動車科を新設。入学希望者は年々増え続け、19年度から1学年の定員25人を35人に増やした。現在、2年課程の自動車整備科学生と合わせた全生徒約180人のうち、留学生が約90人と半数を占める。

 今春卒業した国際科1期生16人は全員が県内外の企業に整備士として就職した。川越宏樹校長は「人材確保は自動車整備業界の生き残りを懸けた問題。少子化が進む日本では、企業も外国人に労働力を頼らざるを得ない」と言い切る。

 新入生の増加に伴って浮上しているのが、保証人問題。留学生がアパート契約や就職をする際、学校が保証人となっているという。今のところ目立ったトラブルはないが、「今後人数が増えて同じように対応できるかどうか…」と校長は不安を口にする。

 また、年間約60万~80万円の学費を期日までに払ってもらうのも一苦労だという。学生たちの収入は入管難民法で定められた週28時間以内のアルバイトのみ。厳しい実情を考慮し、原則全納を分割支払いでも許可せざるを得ないのが現状だ。

 一方、同市北区の九州測量専門学校も17年に3年課程の国際工学科を設置し、日本語科と合わせて留学生約70人を受け入れている。

 ごみ分別や公共料金の支払い方法など、生活面のサポートをしている就職担当者は「日本で生活するための細かい指導ができるのは現在の生徒数で精いっぱい」。留学生の入学希望者は増加傾向にあるが、「目指すのは質の高い教育。定員は増やさず、就職先や進学先でも認められるような人材を育てたい」。

 赤星博光校長は「母国のために人生を懸けて来日した彼らを応援したい」と熱く語る。一方で、「いずれは帰国する学生も多く、長期の労働力にはつながらないのが現状。日本の発展のために残ってほしいが…」と本音ものぞかせた。(渡具知萌絵)

(2019年10月31日付 熊本日日新聞朝刊掲載)