石木ダム建設「機運醸成を」 推進派の長崎県議ら川棚で意見交換

付け替え県道の工事現場を視察する県議ら=川棚町

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業の推進派県議でつくる「石木ダム建設推進議員協議会」(田中愛国会長、39人)は30日、同市議、同町議との初の意見交換会を同町内で開いた。利水、治水の両面でダムの必要性を再確認し、建設推進の機運醸成を図ることで一致した。
 意見交換会は冒頭を除き非公開。県議13人、市議8人、町議12人が出席した。田中会長はあいさつで「(国の事業採択から完成目標まで)50年は長すぎる。そろそろ結論を出し、議会として動く時期だ」と会合を開く意義を強調した。佐世保市議会の石木ダム建設促進特別委員長、長野孝道議員は、企業誘致には水源確保が不可欠とし「将来の県北地域浮揚のためにもぜひお願いしたい」と述べた。川棚町議会石木ダム対策調査特別委の田口一信議員は「利水も大事だが、川棚町民の安全のために必要なダムと認識してほしい」と求めた。
 会合後は工事中の付け替え県道の現場を視察。県石木ダム建設事務所の有吉正敏所長に、工事の進捗(しんちょく)状況の説明を受けた。田中会長は報道陣の取材に「県市町議会で連携し、知事に対して責任を持って推進を訴えていく」とし、今後の会合にも意欲を見せた。反対住民の家屋撤去など行政代執行については「(判断を)先延ばしにはできない」との考えを示した。

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