秋シーバス! 喰わせとリアクションのルアーセレクト術

貪欲にベイトフィッシュを追う秋シーバスの動向は、藤田知洋さんのホーム、瀬戸内海でも変わらない。「釣りやすいシーズンだからこそ、釣果を伸ばすには喰わせとリアクションを意識。ルアーの使い分けが重要です」。その戦略を徹底解説!

教えて頂くのはシーバスシーンを牽引するネクスト・ジェネレーション

【Profile】
藤田知洋(ふじた・ともひろ) 
山口県出身・在住。ルアー釣り全般を愛好しているが、5年ほど前からシーバスに没頭。魚の捕食本能にうったえる喰わせの釣りを追求している。瀬戸内をホームに活動する次代をになうシーバスアングラーだ。

“喰わせ”はミノーのナチュラルさで捕食本能を刺激

秋はナイトゲームに移行し、実釣時と主戦場が変わる。具体的には?

藤田「ひとつは河川で、メインのベイトはイナっ子(ボラの未成魚)。水温が下がればサヨリも入ってくるし、落ちアユもいます。秋の河川はベイトの数も種類も豊富です。あとイワシが接岸すれば漁港周りもアツいですね」

秋のイナッコパターンのポイント例

『橋の明暗』

河川を代表する好スポットを撃つべし!

シーバスは流れの変化、明暗の境、ストラクチャーなどに付いて流されてくるベイトを捕食。秋のイナっ子パターンでも外せない河川を代表する好スポットだ。

秋のイワシパターンのポイント例

『漁港』

岸壁際の陰や明かりが届かない水深を意識

イワシ接岸時は、夜間にイワシが港内に入り、シーバスも進攻。岸壁際のシェードなど物陰で浮き、常夜灯の明かりが届かないレンジに潜んでいることもある。

使うルアーは、ベイトフィッシュに合わせる?

藤田「そうですね。僕は、ルアーをエサと認識させて捕食本能を刺激して喰わせる釣りが好き。河川でも漁港でも、まずはミノーでナチュラルに誘って、騙して喰わせる釣りを展開します。イメージどおりに釣れれば、サイズを問わず楽しいですからね」

藤田流!アクション別喰わせのローテ

ショアラインシャイナーZバーティス97F(DAIWA)

藤田「バーティスのアクションはロール寄りウォブンロール系。漁港の明るい水面の下など、深めのレンジを攻めるときは、バーティスのナチュラルなアクションで探り、反応がなければグルービンのピッチの早い泳ぎを見せます

ミノーでナチュラルに誘うというのは、河川ならドリフト?

藤田「ドリフトも有効だし、あとはスローに巻いたり。レンジも重要で、状況によって反応するレンジが違います。ボイルがあればトップも使います」

上のレンジから探る?

藤田「基本は上から探って徐々にレンジを下げますが、例えば漁港。常夜灯の明かりが水面を照らす部分は、明かりが届かないレンジにシーバスが付く。逆に護岸際の陰はシーバスが浮きやすい。秋の河川の代表的なポイント、橋の明暗部も同じことが言えます」

藤田流!“レンジ別”喰わせのローテ

モアザングルービン88F(DAIWA)

藤田「グルービン88Fはスローに巻くと水面下約20cmを通せる。水面付近で反応がなければ、バーティス97Fで水面下60cmくらいまでレンジを下げて、ナチュラルなアクションに反応するかを試します」。

“リアクション”は波動の強弱とレンジを変えて反射喰いを誘う

実釣はデイゲームということもあり、リアルスティール(DAIWA)の速巻きにシーバスが反射的に反応。リアクションは秋の河川や漁港のナイトゲームでも効く?

藤田「効きます。実釣と同じく、ナイトゲームでもミノーの喰わせの釣りで反応しないときに、バイブレーションのリアクションの釣りを試します。使い方は、速巻き、ただ巻き、リフト&フォール、ジャークを入れてリアクションを誘うこともあります。色々試して、どれにリアクションするか、です」

リアクションしやすい波動とレンジを探し出す

「秋の荒喰いシーズンでも捕食でルアーに反応しない魚はいます。そういうときに有効なのがリアクション。波動やレンジが少し違うだけで、喰う、喰わないの差が出るので、バイブレーション系ルアーを使い分けて反応を探ります。実釣ではレンジが深く、波動が強いモアザン・リアルスティール(DAIWA)にチヌも含めて好反応(笑)」

バイブレーションの使い分けは?

藤田「レンジと波動です。今回使った中では、ソルトバイブ72Sが一番ナチュラルなアクションでレンジも浅い。ただ、水面直下や河川のシャローなど、バイブレーションでは沈みすぎてしまうシチュエーションでリアクションの釣りを試したいケースもありますよね」

浅いレンジを通せるナチュラルなアクションのミノーでは、リアクションが誘えない?

藤田「そういうときは、グルービン88を速巻きします。バイブレーションに近い波動が出せて、リアクションを誘えます

巻き速度を変えれば、喰わせにもリアクションにも対応できる?

藤田「グルービン88Sと88Fは、秋の釣りで必須ルアー。喰わせのスローリトリーブから急に速巻きに変えて、リアクションを誘うこともできます」

浅いレンジでリアクションを引き出す裏ワザ

上・モアザングルービン88F(DAIWA)下・モアザングルービン88S(DAIWA)

藤田「バイブレーションだと沈みすぎて探りきれない浅いレンジは、ロッドを立ててグルービン88を速巻き。バイブレーションのようなハイピッチな動きと波動でリアクションを誘えます」。

グルービン88Fならバイブレーションが根がかり必至のシャローエリアも攻略できる。

次回は藤田さんレコメンドの“喰わせ”と“リアクション”対応ルアーをご紹介!!

DAIWA

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