司馬文学の世界がそこにある。写真集『司馬遼太郎「街道をゆく」の視点』発売!

朝日新聞出版は写真集『司馬遼太郎「街道をゆく」の視点』を10月31日に発売した。 週刊朝日で13年にわたって連載が続く「司馬遼太郎シリーズ」の写真を担当する小林修カメラマンが、 未完に終わった司馬氏の同誌連載「街道をゆく」の視点を手がかりに撮影した作品をまとめた初の写真集だ。

小林カメラマンは「司馬遼太郎シリーズ」の作品で2017、 18、 19年度と3年連続で日本雑誌写真記者会賞の最優秀賞を受賞。 現在は朝日新聞出版写真部長を務めている。司馬作品の世界を記者が歩く「司馬遼太郎シリーズ」の連載はモノクロですが、 連載をまとめた週刊朝日ムックはオールカラー。 小林が一人で写真を担当してきた。 最新刊の『司馬遼太郎と明治 「坂の上の雲」の時代』まで19冊で延べ90万部を超える人気シリーズとなっている。 写真集にはその中から厳選した99点の作品を収録。

司馬作品と正面から向き合い、 写真で表現し続けてきた小林は、 こう話す。「13年間、 ドキュメンタリーを撮ってきたつもりです。 およそ絵にならない、 凡庸な風景にも非凡な瞬間が必ず訪れる。 司馬さんの言葉と風景を往復しながらその瞬間を待っています」

写真集は「街道をゆく」「この国のかたち/風塵抄」「幕末の群像」「坂の上の雲」「戦国の余韻」「宗教の世界」という六つのテーマに分け、 写真の一部には<私は、 かりそめのことながら、 別の惑星からきたとして、 日本国を旅している>など司馬作品から抜粋した文章を添えている。 また、 小林が撮影した朝日文庫「街道をゆく」全43巻の表紙写真も収録。 小林とともに13年にわたって連載の執筆を続け、 「街道をゆく」の最後の担当者でもある週刊朝日編集委員・村井重俊が、 小林の作品と司馬文学を結びつける解説を書いている。 司馬氏の小説のファンの方にもよろこんでいただける充実した内容。

11月1~20日には東京ミッドタウンにあるフジフイルムスクエア(東京都港区赤坂9-7-3)で小林修写真展「司馬遼太郎『街道をゆく』の視点 歩いた風土、 見抜いた時代」(10~19時、 入場無料/主催・富士フイルム株式会社、 特別協力・公益財団法人司馬遼太郎記念財団)が開催される。 写真集の作品を中心に新たに制作した高画質の銀塩プリント約100点を展示。 ギャラリーに展開される大きく引き延ばされた写真群はテーマごとにストーリーを感じさせ、 小林作品の新たな魅力を発見できる構成となっている。

11月9、 10両日にはフジフイルムスクエア2階特設会場で、 小林と村井による写真展併設イベントのトークショーが開かれる。 「司馬遼太郎シリーズ」の撮影秘話や取材エピソードを語ります。 両日とも13時開場、 13時30分開演(15時終演予定)。 定員各150人。 参加無料、 事前申込制。 ホームページ( http://fujifilmsquare.jp/ )の応募フォーム、 電話(03・6271・3350=10~18時)、 もしくはフジフイルムスクエア受付にて先着順で受け付けている。 定員になりしだい締め切り。 来年4月3~22日には富士フイルムフォトサロン大阪でも開催される。

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