日本マイクロソフト、データ基盤「Power Platform」をクラウド拡販の武器に、“2025年の崖”対策としても訴求

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日本マイクロソフト(吉田仁志社長)は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進およびIT人材不足の解消を目的とした、「Power Platform」の訴求を強化する。Power Platformは、クラウドサービスに格納されたデータへアクセスするための共通基盤で、可視化ツールの「Power BI」、プログラミングなしで業務アプリケーションを作成できる「PowerApps」、ワークフロー自動化ツール「Flow」が含まれる。複数のクラウドサービスをつなぐ形でのデータ活用を促進し、IaaSの「Azure」、CRM・ERPを中心とした業務アプリケーション「Dynamics 365」、Officeを含む生産性向上・コラボレーションサービス「Microsoft 365」の“3クラウド”を組み合わせたソリューション提案を加速したい考え。

大谷 健本部長

同社が10月18日に開催した説明会で、Dynamics 365の製品企画を統括するビジネスアプリケーション本部の大谷健本部長は「デジタルトランスフォーメーション(DX)の実行にあたっては、データをどのように活用できるかが肝要となる」と述べ、データの活用は企業のDX推進において中心的な取り組みになるとの認識を示した。マイクロソフトでは、Dynamics 365およびMicrosoft 365のデータモデルを共通化し、Azureのデータレイク上に格納している。この共通データモデルには、Dynamics 365やMicrosoft 365が備える各種サービスや、それらの上に作成されたカスタムアプリケーションから、Power Platformを介してアクセスできる。

大谷本部長は「ただデータを持っているだけではなく、すぐに使える状態になっていないとDXは進まない」と指摘。従来のCRMやERPは多くのコンポーネントをベンダーから購入し、数年かけて業務に合わせた実装を進める必要があったが、同社のクラウドを利用すればスピーディーな導入が可能なだけでなく、データベースの連携といった難度の高い作業を行わなくても、すぐに高度なデータ活用を始められるとアピールした。

また「Power BIを使えば、データサイエンティストでなくてもデータ分析ができる」「Excelのマクロを理解できるユーザーなら、コーディングスキルがなくてもPowerAppsを利用してカスタムアプリケーションを作成できる」(大谷本部長)といい、IT部門専任の人材が不足している企業でも、現場のユーザーがPower Platformを使うことでDXを推進できると強調。業務システムのレガシー化とIT人材の不足がDXの障害となる“2025年の崖”問題の解決策としても、同社の3クラウドは有効なサービスだと説明した。

マイクロソフトは昨年9月、データモデルの共通化に関してアドビおよびSAPと協業することを発表した。今年に入って、業務アプリケーション同士を接続する技術としてPower Platformを紹介する機会を増やしており、データ連携機能をクラウドサービス拡販の武器として打ち出す姿勢を強めている。(日高 彰)