火力補修を抜本見直し 北電9月中間は増収増益

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決算を発表する金井社長=北陸電力本店

 北陸電力は31日、主力の石炭火力発電所のトラブルが相次いでいることを受け、補修を抜本的に見直す考えを示した。タービンの入れ替えや停止期間の短縮、人工知能(AI)の活用などを行う。2020年3月期の通期では火力発電所のトラブルの減益要因は計約90億円と見込んでおり、収支改善に向けた対策に取り組む。

 北電が同日発表した2019年9月中間連結決算は、2年連続の増収増益となった。減価償却費減やグループ会社の利益増などが要因。総販売電力量は、夏の冷房需要や契約電力の減少で1.9%減の150億2千万キロワット時だった。

 富山市の本店で会見した金井豊社長は、想定外だった火力発電所のトラブルが相次いだことを挙げ「本来はもっと業績回復を示すことができたと思う。若干、残念な結果になった」と話した。

 七尾大田火力発電所2号機(石川県七尾市、出力70万キロワット)はタービン翼の損傷で7~10月に運転を停止。ボイラーのトラブルで9月から停止中の敦賀火力発電所2号機(福井県敦賀市、同70万キロワット)の運転再開は11月末の予定だ。この2基による減益要因は上期(4~9月)で約50億円、下期(10~3月)で約40億円と見込む。

 北電は対策として、両発電所で次の定期検査の際に新しいタービンに入れ替えるほか、ボイラー各部も更新する。運転停止の期間を短縮するため、点検のための常設の足場を設置することも検討している。AIやIoT(モノのインターネット)を活用し、トラブルを予兆するとしている。

■災害に備え地道に対策/金井社長一問一答  -台風15号により千葉県で大規模停電が発生したが、北陸で起きる可能性は。

 北陸は冬に雪が降るので、倒木で配電線に影響が出そうな所では計画的な木の伐採や、配電線のルート変更といった対策を地道に行ってきた。万一に備え、日頃から自治体などと連携を強化し、迅速な復旧ができるように努めている。

 -新電力への顧客の流出は。

 電気料金の値上げを表明して以降、離脱が増えたが、最近は営業の効果が出て少なくなっている。地域密着型の特徴を生かして、しっかりとした営業をしていきたい。

 -25日に開かれた志賀原発2号機の新規制基準適合性審査会合の受け止めは。

 断層のデータに分析評価を加え、説明した。基本的な考え方は、原子力規制委員会に理解いただけたと思う。質問に対して考えを示していくことが必要で、指摘に対応して必要があればデータを追加していく。

 -志賀原発の安全性向上施策の工事は。

 工事完了期間の変更が必要と判断し、2019年度内から21年度内とする。先行他社の審査状況を踏まえると、さらに設備の追加が必要だと判断した。