【ジャパンカップ2019】クリテリウム、写真判定の末トレックのトゥーンス勝利

2019年ジャパンカップ1日目のメイン、クリテリウムが宇都宮市街特設コースで開催された。今年はクリテリウム創設から10周年、第10回とあって、例年よりましてワールドツアーチームがレースをコントロールしたが、9週目のアクシデントがレースの様相を一変させた。詳報する。

序盤からワールドツアーチームが主導

今年のクリテリウムも例年同様、JR宇都宮駅西口から伸びる駅前大通りを活用し、1周2.25kmを15周回する全長33.75kmの特設コースで争われた。翌日のロードレースに出場する選手のほか、西側のUターンを本町交差点から池上町交差点の手前まで約350m延長した1周2.25kmの周回コースを舞台に、日曜日のジャパンカップ本戦を控えた選手たちに、過去のレース優勝経験者を擁する「クリテリウムスペシャルライダーズ」を加えた118名が出走した。

レーススタート直後は日本人選手が何回か飛び出したが、この日は勝たせたいスプリンターを擁するワールドツアーチーム、バーレーン・メリダとトレック・セガフレードがメイン集団を次第にコントロール。チームメイトを勝たせるため、それぞれに所属する新城幸也(バーレーン・メリダ)、別府史之(トレック・セガフレード)も、同僚たちとともに積極的にペースを作っていく。

残り5周で大落車発生

レースはこれからゴールに向けての本格的なペースアップを迎えるところだったが、残り5周に差し掛かったところ、スタート/フィニッシュライン後方でメイン集団の半分が影響する大落車が発生、負傷者が出たためレースが一時中断となる。怪我の程度は軽かったようだが、流れが完全に止まったため、事故発生地点からではなくスタートゲートまで移動してからの再スタートとなった。

大接戦のフィニッシュ、写真判定で決着

再スタート後は、残り周回が少ないことから、ほぼひっきりなしにアタックが続き主導権争いが激化する。その中でも先に挙げた両チームは盤石の動きで、集団の先頭近くを争いながらエースをスプリント優位なポジションへ引き上げていく。

最後はソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)とエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)が激しく争ったままフィニッシュを迎える。極めて僅差となったため写真判定が実施され、1000分の7秒差でトゥーンスの勝利となった。3位にはオーストラリアのクリテリウムチャンピオンでもあるブレントン・ジョーンズ(オーストラリア、デルコ・マルセイユプロヴァンス)が入り、ナショナルチャンピオンの片鱗を見せた。

トゥーンスは初勝利だが、トレック・セガフレードとしては2年ぶり。その前は別府史之が2015年、2016年と連覇している。ここ数年のトレックの本気度合いが今年も垣間見られる結果となった。

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